水面の竜
水面に穏やかな波を立てて、巨躯が泳いでいく。5mはあろうか。もたげた首も同じくらいに思える。流線型の頭部には、たてがみがある。頭と同じくらいのひげ。鱗によるだろう陰影が、その竜の迫力を押し上げている。
空には、まばゆいばかりの星々が広がり、それは水面に映りこんでいる。竜は、さながら、星のきらめく球体のなかに、たゆたっているようである。
静かな森は影につつまれ、額縁のようで、ひとつの絵画のような風景がそこにはある。
竜の目も、またたく星のひとつの輝きにみまがふほど、静かな力強い輝きを有している。その目が見つめる景色は如何様なものであろうか。
静寂のなか、竜は水面に波を立てながら、ゆうゆうと泳いでいく。
彼女の周りは、日頃から、静寂につつまれている。
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