大樹海の大討伐(六)
足が痛むとか、呼吸が苦しいとか言っている暇は無い。傷の手当てをしている余裕も無い。血と汗と雨と泥を全身に
私に続く
雨音に交じって撃剣の音が聞こえる、炸裂音に続いて爆風が届く。恐るべき妖魔との戦いは未だ続いているようだ。
「あそこです! お願いします!」
「わかった」
短く答えた
「来たか、『黒』。だがまだ足りぬ、
妖魔が
「俺はお前など知らん。気安く呼ぶな」
「ふふふ、連れないことを言うな。案外と
妖魔の言葉の意味はわからない。わからないけれど、この場に私がいたところで何もできないことは明らかだ。それよりも……
「リージュ!
「おう、遅かったじゃねえか」
「良かった、無事だったんですね!」
「無事じゃねえよ、馬鹿野郎」
そう答える
「ごめんなさい、すぐ手当てしますから。リージュは、リージュはどこですか!?」
その声に苦笑いする三十路男。どうやら片足も負傷しているのか、右手も剣を杖にしているため使えないようだ。彼が顎で示した先にリージュの姿を見つけて
それは一枚の絵画のような、『
「おい、あのお嬢ちゃんは
「補佐……いえ、友達です。私の友達」
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