アイサ村の模倣魔人(四)
郊外にて
これは討伐の証拠を示す必要があったし、同時にそんなものを村の外まで持ち運ぶわけにはいかなかったからだ。
『
「さすがだ、ジークフリード殿!」
そう言って勇者『
痩せ気味で背が高い白髪のご老人だ。私はもちろんこの邸宅にお邪魔するどころか侯爵様のお顔を見るのも初めてなのだけれど、
それよりも何よりも驚いたのは、この人の名前だ。誰もが『
「これは俸給と報奨金だ。受け取ってくれたまえ」
そう言って
・一〇〇日分の俸給、一〇〇万ペタ
・
・
・特別褒賞 一〇〇万ペタ
特別褒賞はアイサ村の村人に新たな被害が出なかったためとの事で、
「いやあ、俺が持ってると使っちまうので、一〇〇万だけ貰えませんかね。あとは預かっといてください」
「わはははは、確かにな。では
こうして邸宅を辞した
夕刻と言うにもまだ早い刻限、外から見ただけで高級とわかる
「どうした、好きなもん食え」
「ええっと、どれも高すぎて。いくら一〇〇万ペタあるって言っても……」
「あん? こんなもん三日で使っちまうだろ」
「そんな馬鹿な!」
私なんて一〇〇万ペタという金額でさえ今まで見たこともなかったというのに、この人は一体何なんだろう。言いたいことはたくさんあるけれど、それよりも聞きたいことがある。私は運ばれてきたオムライスに手をつけず、まず先に尋ねた。
「あなたは何者なんですか? 剣術も、戦術も、情報収集の方法も、どこで学んだんですか? その剣はどこで手に入れたんですか?」
「さあな」
まず手始めにと
「お願いします、教えてください。私、どうしても勇者になりたいんです!」
「嫌だね。技術を教えてもらうにはそれなりの対価が必要ってもんだ」
「どうすれば良いんですか」
「それを自分で考えねえからガキだってんだ。お前、俺について来りゃあ剣でも何でも教えてくれると思ってたろ」
「それは……」
「剣術一つとっても、教本を買うにも道場に通うにも金が必要だ。そうしたいなら金を出せ、手っ取り早く戦場に立つなら命を
その言い方に頭にきた私はオムライスをかき込んで部屋に
「いやあ、すんません。もう使っちまったんで、もう一〇〇万もらえませんかね」
……だが、一〇〇万ペタという大金を本当に三日で使ってしまった『
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