第2話 少し訳アリになった理由(2)
「嫌われないよう、いじめられないように性格を変えるのは大変疲れる」
今回は小学5年生~中学1年生まで振り返ろう。
小学五年生になって、色々な事が目まぐるしく変化した。
まず、なみちゃんの弟りっくんと仲良くなったのだ。りっくんとは今まで全く話さなかったが、やっていたゲームが同じだったり話しが面白かったりで別のクラスだったが、家が近かったこともあり毎日一緒に帰ったりどちらかの家で遊んだりと6年生でりっくんが思春期突入するまで一緒にいた。(後々話にする予定)
そして、私は生徒会に入った。というのも4年生の時、超厳しい鬼先生が担任になったのだ。教育委員会に訴えられるレベルな指導を行っていて、私は人一倍、先生に怒られたくないと思い恐れていたのだ。なので、授業をまじめに聞いて勉強し成績を文句がでないレベルまで上げたり、何らかの活動でリーダーを決める時に手が上がらないと先生が不機嫌になるため進んでリーダーを務めたりしたため、私は
「優等生」という偽りの仮面を手に入れたのだ。
生徒会に入ったのも、クラスに1人は生徒会に立候補しないと先生の機嫌が悪くなると思ったからだ。
さらに前回でいじめを行っていた2つ年上の二人が卒業したのだ。
これで残りの小学校生活も平和、、、というわけにはいかなかった。
「優等生」ということを偽ったにもかかわらず、「泣き虫」で「ぶりっこ」という面をすでに見抜いた人からは奇異な目で見られ、いじめまではいかないが、見下されたり陰口をたたかれたりしていた。
「優等生」で先生たちの評価は高かったが同級生から猫被りと言われ「そういうとこぶりっ子だ」と評されたり、クラスの友達ができず休み時間は一人で教科書を読んだり校舎を独りでグルグルまわったりなど、いわゆる「ぼっち」になってしまい心の孤独は埋まらなかった。
しかし5年生の後期、やっと休み時間に喋る友達と呼べる存在が現れたのだ。
それが、同じ委員会のメンバーで隣のクラスのあいこだ。あいこは、ほのぼのとした雰囲気で周りからはいじられキャラな存在だった。私と急接近したきっかけは生徒会企画のレクリエーションでW司会になり、打ち合わせを重ねる中で彼女はこんな私でも会話の輪に入れてくれたり私のボケもイジリもノリノリで笑ってくれたりして、私を「ぐーぐー羊」(あいこが羊のパーカー着ていた+私が瘦せていて腹減ってそうと
いう、いかにも小学生らしい由来)と呼び慕ってくれた。私は休み時間になると彼女の教室に行き、レクリエーションが終わっても話すようになった。
でもそんな日々は長く続かなかった。あいこが三重県に引っ越すことになったのだ。
引っ越すことはギリギリまで知らされておらず、打ち明けられたのは引っ越す1っか月前だった。「なんで教えてくれんかった!!」と軽く怒り、笑って平気なふりをしていたが、その後トイレの個室で息を殺して泣いた。いつの間にか彼女は私にとってただ昼休みにかまってくれる友達じゃない。私の心の支えにもなっていたんだ。
その時やっと彼女の大切さに気付いたのだ。本当に遅すぎる。今頃気づくの。
そして終業式という名のあいことのお別れの日。すまし顔で「あいこ~泣くな~」と
やるはずだった。そして案の定、あいこは教室を出るときには既に泣いていたがそれを見た私も我慢できず、炭酸が噴き出したかのように泣いてしまった。そんな私に
あいこは紫バラの花の入浴剤をくれたのだ。花びらの部分が入浴剤になっていてすごくいい香りがした。何の香りかイマイチ分からなかったが。実は今(5年後)も使えずにとっている。
あいことは5年間も連絡をとっていない。電話番号もメールアドレスも今住んでる住所も知らない。数少ない情報によると彼女は私と同じ吹奏楽部に入ってユーホを吹いているというそうだ。彼女が夢に出てくるほど会いたいし今までの事を話し、感謝を伝えたい。だが、紫バラ入浴剤の香りが抜けてしまっていることは口が裂けても言えないが。
小学六年生になり、生徒会にまた加入し「優等生」キャラのままでもどうせぼっちライフなんだろうなーと思っていたが、なななんと人生初の親友と呼べる存在ができたのだ。名前はここあ。実は幼稚園の時は私と同じ地区に住んでいて一度子供会のボーリング大会で一緒になり仲良く話していたのだ。しかし、すぐ後に違う地区に引っ越してしまったのと小6の時以外に同じクラスにならなかったので疎遠になっていた。でも小5で同じ生徒会になり、小6で同じクラスになったことで急接近したのだ。彼女の人柄についてや仲良くなった理由は後程話にしようと思うが、簡単に彼女の性格は、頭よくまじめと思いきやゲームヲタク。天然で面白く優しいのだ。
そんなここあには素の自分を見せれて、彼女も私の事を親友と認めてくれたのだ。
小学校を卒業し、中学校に入学した。
「小学校の時にはなかなかできなかった友達をたくさん作り彼氏も作って楽しい青春を過ごしたい、二度といじめられずに、、、」と典型的な脳内お花畑になっていた。
「優等生」を偽るのは疲れを感じるようになった。そこでみんなに好かれて、いじめられないようにしようと「優しくノリがいい。」を偽った。包丁で胸を刺すような出来事がたくさん起きて最終的には不登校になるというのにもかかわらず。
中学1年生では、先生のご厚意か知らないが親友のここあと同じクラスになり担任兼顧問の先生も明るい人だったし、厳しくともやりがいのある吹奏部に入り比較的楽しかった。また何人か幼稚園で仲良くしてくれた人と再会できて仲良くできたのだ。
クラスメイトは比較的穏やかで、私が性格を偽っているのにも気づかず仲良くしてくれて、にはいじめられることはなかった。しかし「泣き虫」で「ぶりっ子」な面を知ってて、いまだに見下している小学校が同じのクラスメイトが、私が過去にやったことを言いふらしたり悪口を言ったりしていたが、極力かかわらなければいいだけだったし慣れの範囲だったので気にしていなかった。それよりも「親友以外に素を見られないように。嫌われないようにしないと」ということに必死だったのだ。
今となっては「優等生」や「優しくノリがいい。」と偽っていたのは黒歴史である。
いじめられないように性格を変える・偽るのは、他人の目が人一倍気になってしまい何より大変疲れる。やはり、ありのままがよい。
一番悪いのはいじめる人だが。なぜそいつらのために疲れることをしなければならなかったのか。そういう疑問は、昔必死だった自分には考えつかなかった。
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