山小屋~キャンプ~
ミエリン
山小屋~キャンプ~
ある日、私は友人たちと山小屋でキャンプをすることになった。夜の森でのキャンプは少し怖かったが、友人たちと一緒なので安心感もあった。
午後、私たちはバーベキューを楽しみながら話をしていた。しかし、夕暮れが迫る頃、何かが違和感を与える出来事が起こった。森の奥から微かに子どもの笑い声が聞こえたのだ。
私たちは驚いて見合ったが、誰も子どもを見た記憶はなかった。幻聴かもしれないと思っていたが、やがて笑い声がどんどん大きくなり、やるせない気分にさせていった。
すると、突然笑い声が止んだ。不気味な沈黙が広がる中、私たちは森の奥に視線を向けた。そこには一人の子どもが立っていた。しかし、その子どもの目は真っ白で、笑顔にはにかみを浮かべていなかった。その子どもはゆっくりと手を振り、私たちに近づいてきた。
私たちは不安を抱きながらも、子どもに話しかけてみた。「大丈夫ですか?どうしたんですか?」と聞いたが、子どもは黙ったまま微笑み続けた。
不気味な空気が漂い、私たちは怖気づいたまま子どもから逃げ出すように山小屋に戻った。しかし、子どもの存在が頭から離れず、全員が不安な夜を過ごした。
翌朝、私たちは勇気を出して山小屋を出てみたが、子どもの姿はどこにも見当たらなかった。ただ、森の中には子どもの靴が転がっているのを見つけた。それは山小屋から離れた場所に落ちていた。
私たちは何が起こったのかわからず、慌てて山小屋に引き返した。すると、そこには窓ガラスが割られ、血のような赤い液体が床に滴っていた。
恐怖を感じた私たちは、ただただ逃げることしか考えられなかった。誰かに襲われるのか、何か超自然的な力のせいか分からないが、もうこの山小屋には留まることはできなかった。
私たちは必死に逃げるように山を下り、無事にキャンプ場に戻った。しかし、あの日の出来事は私たちの心に深く刻まれている。そして、それ以降、私たちは森でのキャンプに二度と行くことはなかったのだった。
山小屋~キャンプ~ ミエリン @mie0915
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