第3話

 今回、配信をするにあたって新しい方法を取り入れてみた。


「他の動画配信者やアンチはよく聞いとけ。

 レイドボスである俺からの本日のスケジュールの予定だ。

 今日は配信者を一人、確実にぶっ潰す事を宣言する。

 あとで知りませんでしたとか言われても知らん。死にたくなければ、徹底的に抵抗しろ。

 今日はこのまま、中層を目指しつつ、獲物を見付けるまで進む」


 俺はそう宣言するとダンジョンへと歩き出す。


「さあ、楽しい楽しい狩りの時間だ。いまからでも鳩の熱烈なラブコールは歓迎する」


 今日は昨日の七海とかって女の子の精神をボキッと折ったものだから七海のファンからの熱いラブコールが殺到していて賑わいを見せている。

 故にこれから大量に拡散されて此方の動向を見ざる終えなくなる。

 つまり、俺が今回試したのはダンジョン配信と言う名目の殺害予告じみた宣告による炎上効果だ。

 ダンジョンに入る者は人気目的か力試しかのどちらかだ。


 人気目的で配信しているのならこれから起こる死闘でファンをまるごと敵に出来る。

 力試しなら此方も望むところだ。その自慢の腕を徹底的にぶっ潰して格の違いを見せてやろう。


 さて、今日の獲物はどんな奴等になるだろうか?


 まあ、楽しめるだけに値する獲物である事を願おう。そこは流石に運が絡むだろう。


 だからこその配信だ。俺を危険に思う奴は逆に自分から突っ込んで来るだろうし、鳩が多ければ多い程、まだ見ぬ猛者が現れる筈だ。まさに有名にもなれて猛者とも死合えるWIN-WINな作戦だ。


 俺はまだ見ぬ獲物を想像してゴキンと右手を鳴らしながら、笑みを浮かべてダンジョンを練り歩く。

 ふと、頭をよぎったが垢BANされた場合を考えてなかったが、動画配信が切れると他のダンジョン配信者への危険もわからなくなる。

 だから、まあ、垢BANされたらされたらで対応は色々とあるだろう。

 運営からもプロの格闘家や警察、賞金稼ぎなども来るかも知れん。

 思っていたよりも今回の宣告で色んな場所から敵視されそうだ。



 ──想像しただけで興奮して来た。

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