愛情 2023/11/27

 私はイチゴを愛情込めて育てている。


 アパートに住んでいて庭がないので、ベランダで家庭菜園だ。

 最初は育つのだが、イチゴがならなかったり、枯らしたりして大変だった。


 でも水やりの頻度、日当たり風通しなどが分かってきたときくらいから、大きなイチゴを付けてくれるようになった。


 今では見るだけで調子がわかるようになった

 これを、愛と呼ばずしてなんと呼ぼう!


 込めた愛情を返してくれたのだ、というほど私はロマンチストではない

 多分、イチゴはいい感じの水といい感じの土、いい感じの日当たりで自分のしたいことをやっているだけなのだ。

 私という存在を認識しているかすら怪しいものである


 ならばイチゴのしたいことはなんだろうか

 赤いイチゴという魅惑の果物を作り、他の存在に恵みを分け与える

 それは実に慈悲深く、愛に溢れた行為だ


 もしかしてイチゴは、私よりずっと愛情深い存在なのかもしれない

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