あなたとわたし 2023/11/07

 あなたとわたしは、一卵性双生児で生まれた瓜二つの美人姉妹

 親も見分けがつかなかったほどよく似てた。

 生まれたときから、どこでも一緒で、趣味も一緒だった


 高校生になってからは、少し離れることが多くなった

 お姉ちゃんは運動部、私は文化部

 でも時間があればいつも一緒だったよね


 けれど、私に彼氏ができてから変わってしまった

 なんだかお姉ちゃん、よそよそしくなった

 私は寂しかったけど、我慢した。

 いい大人だから、一緒にいるわけにはいかないから

 でも心はずっと一緒だったよ


 だけど今のお姉ちゃん怖いよ

 お姉ちゃん、前の優しいお姉ちゃんに戻ってよ


―――――――――――――――――――――――――


 私は一気にまくし立てる間、お姉ちゃんはずっと目を閉じていた

 息継ぎも忘れて喋ったため、呼吸が荒くなる


 するとお姉ちゃんは、閉じていた目を開けて、おごそかに告げた


「言いたいことは以上か。じゃあ続けようか」

「まって、こんなのおかしいって」

「じゃかあしい。ダイエットしないと彼氏に嫌われるって言ったのあんただろ」

ひがみ入ってるでしょ」

「当たり前だ。先に彼氏作りやがって。だいたい彼氏優先したのお前のほうだろ。腕立て伏せ、もうワンセットだ。始めろ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る