前のエピソード――第6話　狂気じみた鍛錬

名前：オリバー・アンデルス

年齢：47歳

職業：執事

白髪交じりの茶髪と口髭。ダークグリーンの瞳をした執事。

元々は宮廷執事として働いており、今回ジークフレアと共に王都から赴任してきた。

ジークフレアがロア村の領地経営を放棄しており、執事の範疇を越え、領主の執務も兼任している。

最近、宮廷にいた頃は目立たなかった皺が目立つようになった。本人もそれを気にしているようだ。彼の苦労がうかがわれる。

名前：ヘレン・ロッテンマイヤー

年齢：65歳

職業：メイド

白髪にダークブルーの瞳のメイド長。

ロア村出身で、長年屋敷のメイドとして働いるベテラン。初めてメイド服に袖を通したのが十三歳の時。彼女の髪がまだブロンドだった頃である。

ゼスト地方は王族たちに人気の避暑地でもあり、ロア村の屋敷はルーンブルク家が所有していた。だが勇者誕生の地と言うこともあり国王にも愛されており、王も何度も訪れたことのある場所だった。

そんな王族を相手にしてもヘレンは若い頃から物怖じせずにズバズバと物を言うタイプで、時に反感を買うこともあったが、ほとんどの王族からは親しみを持って受け入れられていた。

そんな多くの王族と接してきた彼女から見ても、ジークフレアは最低の人間に映っており、尊敬の念を抱くことはなかった。だがここ最近は心情に変化が見られる様子。ジークフレアをやんちゃな孫のように感じる時があり、そんな自分に戸惑っている。

目下の悩みは、メイドが自分以外にいないこと。当初、オリバーが周辺の町村から五人ほどメイドを雇っていたのだが、ジークフレアの癇癪と凌辱に耐えかねて一人また一人辞めていった。近頃、最後の一人も逃げ出したため、現在メイド仕事を一人で請け負っている。手が回らない時は、クラインとピエールを捕まえる。ちなみに騎士も門番のクラインとピエールの二人だけである。