第40話 プロットを本編に落とし込める

ユウキ「今回はプロットについて。少し難しい事を紹介だ!」

アリス「プロットをどう本編に、落とし込めるでしたね」

ユウキ「書き方は前にも書いた通りだが。おさらいするぞ!」


1.メモ帳にアイディアを書きまくる

2.アイディアの中から使えそうなものを厳選してみる

3.箇条書きにして、まとめたアイディアを書いてみる

4.3行程度のあらすじをつくる

5.今考えている場所までの、あらすじを細かく書く


ユウキ「今回は5.まで終わっている前提で、話をするぞ!」

アリス「あらすじを細かく書くまでですね」

ユウキ「本編に落とし込むのに、コツがある。以下の方法を試してみよう!」


1.キャラクターWike法

2.分類分け法


アリス「また新しい用語が、出てきましたね。造語でしょ?」

ユウキ「うん。1つ1つ解説していくよ」


1.キャラクターWiki法


ユウキ「これはキャラの行動から動機。何からまで他人に説明する様に書く方法だ」

アリス「全てを説明するように書くですか?」

ユウキ「ああ。キャラクターの専用Wikiページを様にな」

アリス「だからwiki法なのですね」


ユウキ「なんでかと言うと、キャラを客観的に見るためだな」

アリス「客観的に?」

ユウキ「自分が設定したキャラだとさ。どうしても主観で捉えちゃうんだ」

アリス「まあ、愛着が湧くこともあるでしょう」


ユウキ「だから人に説明するように書き、客観的にキャラを見つめ直す」

アリス「ふむ。それが本編に落とし込めるのですか?」

ユウキ「うん。実はこの時点で、すでに肉付けは完了しているんだ」

アリス「肉付けと言うと、本編を書くような事ですよね?」


ユウキ「あらすじと違い、これは分かり易く全容が掴めるように書く必要がある」

アリス「他人に説明するためですから、そうでしょう」

ユウキ「だから普段考えないようなことまで、思いつくようになるんだ」

アリス「ふむ。確かにwikiってどうでもいい事まで、詳細に書いてありますよね」


ユウキ「まあ説明より、試しだ。まずは以下の例を見てくれ」


トリックスターAは、小説名の登場キャラ。本作における、狂言回し役である。一見すると人懐っこい人物に見えるが、本性は"自分さえ、楽しければOK"と言う自己中心的な考えをしている。状況をかき乱すためなら、自分さえも追い詰める嘘をつく。

~省略~

以下ネタバレ注意


物語中盤、主人公の行動に飽きた彼は、とんでもない行動に出る。黒幕に協力を申しでて、周囲を引っ掻き回すためだけに卑劣な罠を設置する。自分でも予想できない、ランダムで選ばれた人物を、人殺しに仕立て上げるという、恐ろしい計画を立てていた。その暴走っぷりには、黒幕でさえも、手が付けられないほど。

~省略~


ユウキ「かなり省略しているが、大体はつかめたと思う」

アリス「わざわざ"ネタバレ注意"と言ったところまで、再現しているのですね」

ユウキ「これは、その人物の核心に触れますよと、作者自らに合図を送っている」

アリス「なるほど。核心に迫る情報を、整理するために行うのですね」


ユウキ「上記の様に、プロットを本編に落とし込むには、wiki法を通すのがおすすめだ!」

アリス「後はwiki法で書いたとおりに、本編で動かせば良いのですからね」

ユウキ「プロットは基本完璧じゃない。まずは軽く肉付けをする」

アリス「まずは軽い肉付けで、物語の深みを確認する訳ですね」


ユウキ「あ、でも全キャラ分wikiを用意する訳じゃないぞ」

アリス「まあ、wikiにも記事がないキャラは、沢山いますが」

ユウキ「メインキャラだけ用意すれば、基本はOKだ」


2.分類分け法


ユウキ「これも本編に入れる前に、軽く肉付けして確かめるやり方だ」

アリス「分類分けってことは、いくつかのグループに分けることですよね?」

ユウキ「その通り。色々なパターンがあるが、代表例は下記の通りだな」


・核心への情報

・伏線

・縦軸(物語の本筋)

・横軸(キャラの掘り下げ等)

・世界観の説明


ユウキ「大体こんなものかな?」

アリス「ふむ。いくつか前回紹介したものが、混じってますね」

ユウキ「組み立てたプロットから、情報を分類ごとに箇条書きにしてみよう」

アリス「なぜ分類分けをする必要があるのですか?」


ユウキ「簡単に言うと、本編に組み込む際、情報を整理できるからだ」

アリス「ん? どういう事ですか?」

ユウキ「情報が偏り過ぎるのも良くない。かといって、均一にあるのも問題だ」

アリス「確かに。キャラの掘り下げ様の章は欲しいですが、本筋を止める訳にもいきません」


ユウキ「そういった事態を回避するために、分類分けが必要なんだ」

アリス「ふむ。具体的にどうやって使うのですか」

ユウキ「例えばこんな風にだよ」


プロローグ

世界観の説明:4つ。まずは多めに取る

横軸:4つ。まずは主人公のキャラクター性を理解してもらう。

伏線:1つ。序盤は混乱させないために、少なめに。

核心への情報:まだ入れない。:まずは世界観と主人公を理解してもらうために。


第1章


世界観の説明:2つ。プロローグの情報を掘り下げる。ここで一通り説明

横軸:1つ。ここでは少なめにして、キャラの核心は後半で触れる

伏線:2つ。徐々に終盤に向けての下準備をしていく

核心への情報:3つ。伏線を軸に本格的に物語を始める


ユウキ「こんな風に、章ごとに情報を調整している」

アリス「なるほど。情報過多で混乱させるのも、防げそうですね」

ユウキ「分類分けは応用できるけど、まずはこの型に、慣れてみようぜ」

アリス「では今回、学んだ事をまとめていきますね」


・プロットを本編に取り込む前に、軽い肉付けをする

・wiki法でwikiを書くように、キャラクターの詳細な情報を書く

・分類法で、分類によって情報を分ける。章ごとに調整する


ユウキ「次回は伏線について、解説していこうか」

アリス「あらゆる物語において、重要なものですね」

ユウキ「次回はどちらかと言うと、方法論ではなく特訓法がメインだ」

アリス「伏線の回収を、どうやって学ぶのかですね」


ユウキ「それじゃあ、みんな! 次回も宜しく!」

アリス「お願いします」

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