第6話 非日常とは?
ユウキ「今回は短編の書き方の1つ。非日常の書き方を紹介だ」
アリス「ええ。ですが非日常が良く分かりません」
ユウキ「非日常を作るには……。こうするんだ!」
『日常をぶっ壊す!』
ユウキ「非日常は日常を破壊する事で出来る」
アリス「まあそうでしょう。日常じゃないから、非が付いている訳で」
ユウキ「その為にはまず、その人物の日常を設定するんだ」
アリス「日常とは?」
ユウキ「ルーティーンの事だな。例えば朝は必ず一杯のコーヒーから始まるとか」
アリス「毎日行っている事ですね」
ユウキ「何故かと言うと、非日常は日常の上に成り立つからだ」
アリス「どう言う事ですか?」
ユウキ「人は変わった事の方が、印象的になり行動を起こしやすい」
アリス「ええ。当たり前を記憶する必要が、ありませんもの」
ユウキ「変わった事を認識するには、変わらない事が不可欠だ」
アリス「確かに。当たり前が無ければ、非常識は分かりませんもの」
ユウキ「だから非日常を作るには、日常から考える必要がある」
アリス「なるほど……。その人にとって、当たり前の事ですね?」
ユウキ「まずフロチャートの様に、普通ならこう動くを書いてみるんだ」
アリス「ふむ。日常と言う土台を作る訳ですか」
ユウキ「とあるリーマンの日常だ」
朝起きる→カフェで一杯のコーヒーを飲む→メールのチェック→出勤……
ユウキ「上記の様に、当たり前を矢印で繋ぐ」
アリス「一連の行動が、この人にとって日常な訳ですね」
ユウキ「このうち1つを抜き出して、ぶっ壊す。それが非日常だ」
アリス「ぶっ壊すと言われても、どうすれば良いのですか?」
ユウキ「例えば上記の日常から、カフェで一杯のコーヒーを飲むを選択する」
アリス「その日常を壊す訳ですね」
ユウキ「ここが壊れると言う事は、カフェでコーヒーを飲めないと言う事だ」
アリス「なるほど。本来ならこうするのに、それが出来ない状況を作ると」
ユウキ「例えば『カフェに強盗が!』や、『コーヒーが切れている!』などだな」
アリス「確かにコーヒーは飲めませんが、それだけで小説は書けませんよ」
ユウキ「そこで先程設定した日常。この後の予定を考えるんだ」
アリス「この後の予定ですか?」
ユウキ「そう。『大事な会議があるのに、カフェに強盗が押し入ってきた!』とか」
アリス「普通なら許されそうですが、確かにそれは問題です」
ユウキ「この様にどうする? と言う状況を作るのが、俺のやり方だ」
アリス「日常を考え、この後すべきだった事に影響が出ると」
ユウキ「その影響がピンチであり、話に緩急を生み出す」
アリス「しかし日常を生み出すと言われても、何をすれば良いのか……」
ユウキ「1人の日常を考える訳だからな。簡単じゃないさ」
アリス「ユウはどうやって、短編を書いているのですか?」
ユウキ「俺の場合、自分の日常を当てはめている」
アリス「自分の日常? つまり普段自分が行っている、ルーティンの事ですか?」
ユウキ「そうだ。自分が気に留めていない行動に、注目してみるんだ」
アリス「ふむふむ。私の場合、朝必ず常温の水から始まりますね」
ユウキ「もしもこの行動がとれなかったら、どうなるのか? それを考えてみよう」
アリス「水が飲めなければ、ドロドロの血液で動く羽目になります」
ユウキ「次はそれを打開する方法を考えてみよう」
アリス「この場合、極力運動せずに、飲み物を確保するでしょうか?」
ユウキ「こう言った練習をする事で、日常を生み出す力はアップするぞ」
アリス「なるほど。普段の自分から、日常を生み出す訳ですか」
ユウキ「慣れてきたら、他人の日常も分析してみようぜ」
アリス「他人の日常ですか。知らない人に話しかけろと?」
ユウキ「いや。例えば朝散歩していると、同じ人とすれ違うとかでも大丈夫だ」
アリス「なるほど。その人のルーティンを、観察する訳ですね」
ユウキ「まずは自分の当たり前に、目を向けてみよう。そこが一歩目だ!」
アリス「短編を書くのも容易ではないのですね」
ユウキ「次回はもう1つの書き方。日常の切り取りを紹介だ!」
アリス「缶詰でどうやった、小説を書くのでしょう?」
ユウキ「それじゃあ、次回も宜しく!」
アリス「お願いします」
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