第7話 日常を別の視点で見る
ユウキ「今回は前回と逆。日常を描く短編の書き方を紹介だ!」
アリス「缶詰の小説が例でしたが、全く想像つきませんね」
ユウキ「この小説の特徴を2つあげるぞ!」
・オチで一気にひっくり返る
・日常の拘りに注目する
ユウキ「この2つさえできていれば、このタイプの短編は出来る」
アリス「オチでひっくり返す系ですか。難しそうです」
ユウキ「例を出してみよう。かつて弁当の食べ方と言う短編ドラマがあった」
アリス「なんですかそれ……」
ユウキ「好物を最後にとっておき、最大に活きる食べ方をするという内容だった」
アリス「な、なるほど……。確かに日常の拘りですね」
ユウキ「好物はイカリングだったんだけど、ラストで衝撃の事実が明かされる」
アリス「オチでひっくり返すと言う事ですか」
ユウキ「実はイカリングじゃなくて、オニオンリングだったんだ」
アリス「それは。さぞかしテレビの前でズッコケたでしょうね」
ユウキ「こういう短編の書き方もありだと言う事だ」
アリス「オチを聞けば何てことなさそうですが、難しそうですね」
ユウキ「と言う訳で早速、書き方とトレーニングを紹介だ!」
アリス「お願いします」
ユウキ「まず日常の拘りだけど、ひたすら集中する事が有効だ」
アリス「集中ですか?」
ユウキ「ああ。コーヒーを飲むとき。ご飯を食べる時。その味に集中するとかな」
アリス「何故そんな事が必要なのですか?」
ユウキ「普段の何気ない行動が、ネタになるからだ」
アリス「コーヒーを飲む事が、ネタになるのですか?」
ユウキ「ああ。例えば俺はコーヒーを飲むとき、必ず苦みを重視する」
アリス「へえ。そうなんですね」
ユウキ「何故苦みを重視するのか。それ自体が小説のネタになるんだ」
アリス「ちなみに何で重視するんですか?」
ユウキ「朝は甘いものとコーヒーで、脳を動かす。甘いものを更に引き立てるために、苦さが必要なんだ」
アリス「思ったよりしょうもない理由でした」
ユウキ「このタイプの日常はそう言うもんだ」
アリス「しかし日頃からやっている事に、どう注目すればいいか……」
ユウキ「これはもう、瞑想とイメトレしかない。とにかく集中力を鍛えるんだ」
アリス「何故瞑想? どうしてイメトレ?」
ユウキ「瞑想は今この瞬間に集中する事。イメトレは別の空間に集中する事だから」
アリス「なるほど。まずは集中力を鍛えろって事ですね……」
ユウキ「とにかく目を瞑って、意識を集中に持って行く。これだけで特訓になるぞ」
アリス「拘りは分かりましたが、オチでひっくり返すとは」
ユウキ「これは簡単だ。前提条件を提示して、最後にひっくり返せば良い」
アリス「前提条件とは?」
ユウキ「さっきの例だと、イカリングと言う情報だな」
アリス「最後に玉ねぎだと、明かされるんでしたね」
ユウキ「まず読者にイカリングであると言う、情報を提示する」
アリス「文体だけの小説が、有利ですね」
ユウキ「でも実はイカリングじゃなかったと、最後で新たな情報を提示するんだ」
アリス「簡単に言ってくれますが、どうすれば条件をひっくり返せるのですか?」
ユウキ「日ごろから前提条件と言うものを、意識してみよう」
アリス「前提条件。確か物事が成立するのに、必要な条件でしたね」
ユウキ「物事を考える時、その前提条件が正しいか。それを考える力だな」
アリス「ふむ。前提条件と言われても、どうすれば良いか……」
ユウキ「例えば自信作なのに、妙にアクセス数が低かったりする」
アリス「急に現実的な話に戻りましたね……」
ユウキ「この時、タイトルが悪いのか、はたまた題材が悪いのかと考える」
アリス「そうですね。タイトルは結構重要ですから」
ユウキ「この時前提条件として、”読者の興味を引けていない”と考えている」
アリス「興味を引けなかったら、そもそも読まれませんもの」
ユウキ「でもこう考えられないか? ”自分が適切なサイトに投稿していない”と」
アリス「えっとどう言う事ですか?」
ユウキ「小説投稿サイトは沢山ある。サイトによって、読まれるジャンルが違う」
アリス「まあファンタジーは、どこでも人気でしたけどね」
ユウキ「つまり内容ではなく、場所を疑ってみる。これが前提条件を考えると言う事だ」
アリス「なるほど……。自分に起きている問題。その前提を疑う事なのですね」
ユウキ「この力は長編でも、どんでん返しに役立つ。是非身に着けてくれよな」
アリス「読者に前提条件を与えるため、全体を疑う力を身に着けるのですね」
ユウキ「大きくひっくり返すのは大変だからな。まずは短編で慣れよう」
アリス「短編をおすすめする理由は、それが一番なのですね」
ユウキ「次回は短編に重要な、”情報の省き方”を紹介するぞ」
アリス「限られた文字数で、書く必要がありますからね」
ユウキ「それじゃあ、みんな。次回もよろしく!」
アリス「お願いします」
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