第2話 入学式

大学の入学式は日比谷にあるホールで行われる。


私は両親と一緒に車で日比谷に向かっていた。


生まれてはじめて履くパンプスでは駅の階段が不安だったし、試し履きで靴擦れができてしまいうまく歩けなかったから急遽車で行くことになった。


家から日比谷までは空いていたら30分。

首都高にはいったら渋滞してて三軒茶屋あたりで、


『入学式面倒くさ』


って無意識に言ってしまった。

ぼそっっと言ったつもりだったが、両親とも聞いていた。あーまずい。両親の会話がとまった。

気まずい。


「大学通うための洋服買うときはとても嬉しそうだったけど、今日のスーツ気に入らないの?」

「ママはひろこのスーツ姿とてもきれいで、涙が出そうだったよ。パパもそう思うでしょ?」

父は「うんきれいだ。」


母が気をつかって話を切り出してくれたけど。

心のなかでは、気を使わせて申し訳ないと思うけど、そういうことじゃないんだよ。

なんか言わなきゃ、とりあえず『ありがとう』って小さい声で言った。


車内の空気はやわらぎ、両親は嬉しそうに私の話をまたはじめた。




会場の受付の時、男子ばかりでビックリした。


男 男 男。。。。。。。。。うわーーー


よく考えれば地味な理工系大学だもんなー。そりゃ女子少ないってわかってたけど。女子の割合が10%以下って推薦入試の面接で聞いていたけど。。。。


中高は女子校だったせいか、すごく居心地がわるい。

あーいやだなーー。

なんか見られてるし。

なんか臭いし。



言っちゃいけないのはわかってるけど、


陰キャばっか。つら。

まともなのいないし。



気分が急降下してきた↘↘↘↘↘↘。



大学生活おわったな。



だからこの大学は嫌だったんだよ。

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