不遇スキル【鑑定】はどんな魔物の弱点も見抜く最強スキルでした〜「鑑定は地味でバズらない」と配信者ギルドをクビになった鑑定士、うっかりS級ボスをワンパンしてバズる。今更戻れと言われてももう遅い
第30話 佐川と山田、ブラックギルドの面接に落ちる「お前らなんか要らんしw」 追放者視点
第30話 佐川と山田、ブラックギルドの面接に落ちる「お前らなんか要らんしw」 追放者視点
「佐川さん、山田さん、お入りくださいー!」
結局、オチブレロ(株)の面接に来た佐川と山田。
オチブレロ以外に、面接をしてくれるギルドはなかった。
(ちっ……っ! 剣聖をいつまで待たせるんだ)
(あたしを誰だと思ってんの! 賢者様よ!)
悪態をつきながら、二人は部屋に入る。
部屋には、オチブレロのギルマス——黒田がいた。
ヨレヨレのスーツと、ぼっさぼっさの髪。
ただし——顔はかなりの悪人面だ。
(なんだこいつ? 本当にギルマスなのか?)
(汚らしいオッサンね……吐きそうだわ)
「あー佐川さんと山田さんですね……さっさとお座りくださーい」
黒田がやる気なさそうに言った。
「えー履歴書によると、佐川さんは剣聖で、山田さんは賢者ですねぇ?」
「「はいっ!」」
自信満々で答える二人。
「だけど、二人ともF級探索者なんですねぇ。だったら待遇はですねぇ……」
(よしっ! ここで待遇交渉だ!)
(絶対、高待遇にしてやるわ……っ!)
「黒田さん、待遇は年俸2000万円、休暇は150日でどうでしょう? 配信がバズったらボーナスも!」
「あたしたちの最低条件よ! なんたってあたしたちは、剣聖と賢者だもの!」
二人は強気の態度に出るが、
「はあ……それは無理っすね。待遇は年俸100万円、休暇は50日、ボーナスはなし、ですねぇ」
「な……っ! 年俸安すぎるし、休暇も少なすぎだろ!」
「そうよ! あり得ない待遇だわ!」
栄光の剣での年俸は、2500万円であったのに……
【奴隷】のような最低待遇に、憤慨する二人。
一方、黒田は大きなため息をつく。
「あんたらの配信を見てたら、最低ランクの待遇からスタートになりますなぁ」
「ふ、ふざけるな……っ! 俺は剣聖だぞっ!」
「バカにしてるわね……あたしは賢者よっ!」
キレまくる二人。
呆れた表情で黒田は、
「ま、ウチは別にいいんですぜ。ダンジョン・エージェントさんの顔を立てて面接してるだけなんで。嫌なら帰ってもらって構わない」
「……じゃあ、せめて年俸1000万で——」
佐川は言いかけたが、
「待遇交渉は無理でーす。最低ランク待遇からスタート。それが嫌なら要らんですw」
悪どい笑みを浮かべる黒田。
「クソが! 俺たちは帰るっ! 後で後悔しても【もう遅い】からなっ!」
「後で泣いて頼んでも、【もう遅い】んだからねっ!」
二人は勢いよく出て行った……
「ぐへへへ。【もう遅い】のは、お前らのほうだよw」
黒田は不敵に、笑うのだった——
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