第29話 新見さん、美人姉妹に挟まれる(いろいろな意味で

「助けてくれてありがとうございます。あたしは宮本亜美と言います……あなたのお名前は?」

「俺は、新見政宗です」


 サラマンダーに襲われていた女の子を助けた俺。


 一緒にダンジョンから脱出中だ。


「え……っ? に、新見……⁉︎ ミノタウロスワンパン鑑定士の?」

「そうですけど」

「きゃあああああああああああああああ!!」


 また叫び出す宮本さん。


 顔を手で覆う。


「すみません……俺、何かしちゃいました?」

「……あたし、新見さんの配信の大大大ファンで、嬉しすぎて……。つい叫んでしまいました」

「そ、そうでしたか……ご視聴いただけてありがとうございます。あと——」


 俺は顔を背けて、


「……服を、着てくれませんか?」


 俺の上着を着ていた宮本さん。


 その下は、何もつけていない。

 

 つまり、裸だ。


 叫んだ勢いで脱ぎ捨てしまい——


「きゃああああああああああああああ!!」


 また叫び出す宮本さん。


【配信コメント】

:ああああああああああ見れねええええええええ!

:おっぱいが見たいいいいいいいいいいいいいい!

:自主規制キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!


 オート自主規制で、リスナーさんには見えないらしい。


 俺には全部、見えてしまった。


 白くてすげえきれいで、


 胸がかなり大きくて——


「見てないですから……安心してください」

「……すみません。新見【様】に見苦しい身体を見せてしまって」

「そんな見苦しいだなんて……」


 見苦しいどころか完璧で……


 Fカップはあったかな。


 あと、なぜか様づけで呼ばれているし。


 ★


 京都ダンジョンを出ると、


 ダンジョン協会のヒーラーと、


 さっきの二人の剣士がいた。


「亜美ちゃん……無事でよかった」

「すげえ心配してたよ。助けられなくてごめん……」


【配信コメント】

:見捨てたくせに

:白々しいなw

:でも仕方ないよ……

:モヤる


「…………ううん。全然気にしてない。新見さんが助けてくれたから」


 宮本さんが俺の腕に抱きつく。


「亜美ーっ!」


 女の子が走ってくる。


「お姉ちゃん……っ⁉︎」

「あみぃぃぃ! 心配したぞぉぉぉぉぉぉ!」


 宮本さんのお姉さんらしい。


 泣きながら宮本さんに抱きついて。


「……おっと、失礼した。私はB級ギルド【白銀の盾】のギルドマスター、宮本香織だ。我が妹を助けてくれて感謝する」

「いえいえ。当然のことをしたまでです」

「評判通り、謙虚な男だな。SS級ボスを討伐できる探索者は日本であなた一人しかいないだろう」


【配信コメント】

:ギルマス美人すぎるwww

:おっぱいもマスター級やな

:SS級ボスワンパンできるのは新見さんだけや

:↑本当それな 


 たしかに宮本さんは姉妹二人とも美人だ……


 胸のサイズも姉妹ともかなり大きくて。


「新見さんにぜひお礼をしたいのだが」

「いや、いいですよ。お礼なんて」

「我がギルドの名誉にかかわる。これから一緒に来てほしい」

「そうですよ! 新見様はあたしの命の恩人ですっ! お礼させてくださいっ!」

「うわ……っ! えっ、ちょ……っ!」


 宮本姉妹に腕を引かれて、連行される俺。


 ふにょん、ふにょん!


 二人の胸に、挟まれて——

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る