第26話 裸のヒーラー美少女を助ける※いろいろ自主規制

「ヒーラーの子は、どこに……?」


 俺は部屋の中を探す。


「あれか……っ!」


 ツインテールに金髪。


 人形みたいに整った顔の女の子が、


 裸で倒れていた——


【配信コメント】

:うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!

:おっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱい

:すげえかわいいじゅるじゅるじゅる


 コメント欄は大騒ぎ。


「ヤバい……このままじゃ、垢BANされる……っ!」

「新見くん、大丈夫よ。この配信用ドローンには、オート自主規制機能があるから」

「……ならよかった」

「新見くんに裸を見せるなんて羨まし——げふんげふんっ! ……とにかく、ちゃんと自主規制しているからBANの心配はないわよ」


 香月社長が言うから大丈夫だろう。


 しかし、コメント欄は。


【配信コメント】

:あああああああああああ! 

:見えねええええええええ!

:おっぱいおっぱいおっぱいがあああああああ!

:俺のシコシコタイムががが!


 荒れに荒れまくっているのだった。


「みなさん、ごめんなさい。これはちょっと配信するわけにいかなくて……」


 ——そんな場合じゃなくて。


 俺は裸の女の子に駆け寄って、


 呼吸と脈を確かめる。


「よかった。まだ生きているみたいだ」


 しかし、


「……つっ! これは!」


 背中に、ひどい火傷を負っていた。


【配信コメント】

:えぐいな……

:このままじゃ死ぬぞ

:回復魔法があれば……

:でも、新見さんは鑑定士だしな。  

:回復魔法無理じゃん


 この子はヒーラーだ。


 だったら、当然、本人は回復魔法が使えるはず。


 それなら——


「転写眼、アクティベート!」


 視界が赤く染まる……


 転写眼——神眼のユニークスキルの一つ。


 対象のスキルをコピーすることができる。


【転写完了です。回復魔法ヒールを習得しました】


 よし、無事にスキルをコピーできた。


「ヒール、アクティベート!」


 女の子が、緑色の光に包まれる。


【配信コメント】

:マジでヒールできた!

:鑑定士がヒール使えるとは……

:新見さん規格外すぎwww


 やけどの跡が、みるみる治っていく……!


「ううん……っ あたしはいったい……」


 女の子が、目を覚ます。


「もう大丈夫ですよ。さあ、ダンジョンを脱出しましょう」

「ふええ……あたしは死んだんじゃ……きゃあ!」


 裸であることに気づいたのか、


 叫び出す女の子。


「ふ、服はサラマンダーの炎で焼けてしまったんだと思思います。……とりあえず、これを着てください」


 俺を顔を背けながら、自分の上着を渡す。


「あ、ありがとうございます……っ」

「立てますか?」


 俺は女の子に手を差し伸べると、


「うわあああああああああああああああんっ!」


 女の子に抱きつかれる……っ!


 ふにょん……♡


 ふにょん、ふにょん、ふにょんっ♡


 胸がガンガン当たりまくって。


【配信者コメント】

:羨ましすぎいいいいいいいいい

:助かってよかった

:これは惚れるわ

:おっぱいおっぱいおっぱい

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