第37話 超古代文明の聖遺物
モクモク玉の炸裂した跡地は地表がえぐられ、破壊された地下街のパイプやケーブル類、下水管が露出し汚水が地表を覆う。ピカピカの花の都大帝都の町並みは悉く破壊され
呆然として生気を失った人々が路地に放浪してる。
「これが人畜無害なんですか?」
「そうよ。人にはせいぜいぶん殴られるくらいの衝撃しかないけど、コンクリートや鉄パイプ、アスファルトといった各種建材には絶大な威力を発揮する。むかし、人だけが死に絶えてインフラはそのまま残る馬鹿げた爆弾があったけど、その逆ね。インフラだけが破壊し尽くされ、命ある者だけがそのまま残る。」
「壊さなくてもいいんじゃないですか?」
「モクモク玉の本来の目的は空を覆う黒煙です。黒煙の材料を使用時に現地調達する仕組みです。」
とんでもない超古代テクノロジーだなこりゃ。使うのに覚悟が必要だった理由がわかった。一瞬にしてスラムが市街地中心部まで伸びた感じだ。
ルシフェルの屋敷へと招待された。そこには先の冬の時代を乗り越えた際に使用した聖遺物が保管されていた。
モクモク玉ミサイルなどの武器?のほか本体だけでなく周囲に黒いオーラを放出している謎の漆黒の衣類やシェルター、黒いオーラを発しながら発熱する瓶や缶。その他諸々の見るからに悪趣味な黒づくめの悪趣味なアイテム類。
うわっ悪趣味と顔をしかめているとルシフェルが苦笑しながら
「このアイテム見たら、歴史から抹消されたのもわかるでしょ。普通に縁起でもないわよね。」
うん。全面的に同意する。ならなんでオメーはそんなもん集めてるんだよw
「世間が受け入れようが受け入れまいが、個人的に好きであろうがなかろうが、引き継いだ者の義務です。これらは人類の存続のために必要なものなのです。そして、これを管理保守していき必要なときに使うことははじまりの女神から託され引き継がれてきた使命なのです。」
くそったれな人類の歴史だなw
禍々しいアイテムの数々を見て、彼女もこんなもの要らないと本能レベルで思っていたのは想像に難くないが、必要性を理解して理性で使命を引き継いでいるのだ。おそらく、自分の代で使いたくはないと思っていたに違いない。そして、その背中を押す事がオレの使命だったのか……。
「単独で存在しうる能動的な存在である白い光に比べて受動的な存在の黒は脆く儚いものなのです。しかし黒には役割があります。受けた光を熱に変えます。その熱は生命を育みます。そこの黒いオーラを放つアイテムは、その大原則に抗うために受光のための超小型の子機を生成して周囲に配置しているのです。受光したエネルギーは熱にして放出します。帯域は可視光からガンマ線まで幅広く受け、それで励起されて赤外線に変換して放出しています。」
黒いオーラは現実に出ていて、真っ黒に見えているが、赤外線が見える生き物には黒く見えないようだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます