第34話 客観的事実の確認
「それは法律や条例で禁止されているからだよ」
オレは肩を落としてそう言った。公害防止条例で焚き火は禁止されている。そこの作物は私有財産の不可侵の原則で地主のものだ。勝手に取れば窃盗ということになる。
「あなたは法律や条例を守りました。では法律や条例はあなたを守りましたか?片方向のやらずぼったくりになんで付き合う必要があるんですか?」
「あー、いや環境問題、炭酸ガス濃度の向上で地球温暖化って話もあるからな?」
「この寒波で温暖化ですか?何を勉強してきたんですか?」
「え、炭酸ガスの増加で温暖化してると……」
「いま温かいですか?」
「いや、むっちゃ寒い。」
「大気組成における炭酸ガスの占める割合は?」
「0.03%」
「あなたがたの主食であるトウモロコシはどうしてC4光合成なんていう回りくどい事する必要があるのですか?」
「希薄すぎるCO2でも生き延びるため」
「何かおかしいと思わないんですか?」
「えっ?何が?」
ダメだこいつという侮蔑の目で見られてる。オレなにかおかしなこと言いました?
「……わかりました。このままでは主は命を落としてしまいます。私の責任で暖を取りましょう……。」
そう言うと、満天の星空に火球を登場させスラムから離れた都市の高層ビル群の真上に落とした。
ピカッとひときわ強く夜空を照らしたと思ったら、街のほうから上がる赤い炎に照らされながらモクモクと上がる黒煙が星空を黒く塗りつぶしていく。
「罪人どもの頭上には曇天がお似合いです。
自己紹介が遅れて申し訳ありませんでした私めの名前はルシフェルと申します。以後全面的に主の使命をサポートさせていただきます。」
あわわわわわわわわわわ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます