第4話 稲の料理

 イネ科植物=穀物の食べ方には特徴があって、種子を茹でる、炊く、粉にする、つく、爆発させるの基本形がそれぞれあり、いずれも澱粉が豊富なので酒になる。


麦は粉にしてうどんやパンにするのが基本だが、炊いて麦めしにもするし、爆発させて麦チョコにしたりもする。

米は炊くか茹でるのが基本だが、米粉もあるし、ポン菓子もある。

トウモロコシは爆発させるポップコーンが基本だが、茹でたり焼きもろこしにするのもあれば、粉にしてタコスの生地とかにもしますね。


 オモチャのようなお菓子のイメージが強いポップコーン、これ紀元前3000年には既にあったそんじょそこらのお高く止まってる伝統食とか鼻で笑い飛ばせるガチの伝統食です。

 もちろんさまざまな紆余曲折を経て現在に至るわけで、軽んじられた時代も絶滅の危機に瀕した時代もあった訳ですが、不思議な力が働いてポップコーンを重んじた人々が生き残る不思議な事が起こります。大恐慌時代の映画館でもポップコーンを出した劇場は生き残り、出さなかった劇場は悉く潰れたとか。

 ポップコーンはいにしえの農耕神――おそらくその実体は穀物農耕を発明し広げてきた人々の信念の集合体――の加護が付いている神聖な食べ物なのかもしれません。どう見てもオモチャみたいな、やもすると軽んじられ、バカにされるお菓子だけどw。

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