第15話 野獣集団の男集落
レアの息子たちは、集落では山に捨てて来たので居ない事になっている。集落に住んでいるのはレアの娘たちだけだ。長女ヘス、次女デメ、三女ヘラの三人姉妹だ。家族にも兄弟が居ることは教えていない。
世間の要請通り男児は山に捨ててきた。山の中でも生存に困らない、外敵が襲いにくい洞窟の中で、たまたま通り道だからこっそり世話をしているというだけである。堂々と我が子を家族として育てることは出来ないからこっそり独り立ちできるまで育ててあげようという事だ。
文明から切り離されている野郎だけの集落にとって、集落から授乳しに来て吸水ポリマーのおしめといった高度文明の利器を差し入れる母レアは女神として崇拝された。本来ならば同じ生き物の男女であるはずなのに、文明は女だけのものだった。ここで男達の遺伝子レベルの記憶の中に女神の乳と脚への異常な執念が焼き込まれ現代にまでその形質は野郎たちに色濃く残る。また、一夫一妻制が合理的と思う想いが焼き込まれたのは、女神レアの子がたまたま男女ともに三人だったからである。
この野獣の集落の赤子たちが大きくなる頃には狩猟採集とイネ科植物の栽培を母レア、姉デメより、加熱調理を姉ヘスから教えられ、文明の程度はかなり落ちるものの男でも生きていることが許される集落が出来上がった。
女集落も一定以上の人口を超えると、要らない人というのが発生し、犯罪者呼ばわりされて国外追放の名目で文明から疎外され、どこからともなく聞いた男集落に行き
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