突撃!生徒会長

 ~ミキside~

 何?

 何が起こった…ていうの?


 マキの一言は何となく分かっていたつもりなんだけど…。

 何で生徒会長ミユキが名乗りを上げるのよ!

 私がどんな気持ちで身を引こうと思っていたのか…知らないくせに!


 ひょっとして、選挙にかこつけてミッ君に近づいたのかしら?

 ははぁ~ん、ミッ君の魅力に気付いたのね…

 でも、生徒会長ミユキにミッ君を譲るつもりはないわ!


 ~マキside~

 何?

 どういうことなの?


 ミキの一言はともかく…。

 生徒会長ミユキが何で絡んでくるのよ!

 私がどんな気持ちで身を引こうと思っていたのか…知らないくせに!


 生徒会長ミユキは何を考えているの?

 素直に、ミツオ君に好意を持っていたということなの?

 …そういえば、生徒会長ミユキとミツオ君の間に、何か関係があるのかも?

 関係って何?

 どんな事?

 …気になることは、直接本人に問い正すまで!


 ◇ ◇ ◇


「行くわよミキ!」

「ええ、マキ!」

 二人は頷き会うと、ミツオの向かおうとする生徒会室へ歩みだした。

「「あんな女に、私達のミッ君は…渡さない!」」


 ~ミツオside~

 後藤田先輩…何を考えてるんだろう?

 マキとミキの言葉の意味もわからないまま…だし。


 オレ、後藤田先輩に会って、何を話せば良いんだろう?

 そもそもオレが後藤田先輩のって、どういう事?

 先輩ってファンまで居る程の人気者でしょ?

 普通に考えても、を地で行くような女性ヒトだから、先輩を放ったらかすような男性ヒトはいないと思うんだよねぇ。

 …何だか嫌な予感がするんだけど。


 生徒会室へボチボチ向かっているミツオ君。

 どうにも雲行きの怪しい風景がミツオ君の眼前には広がっているようです。


 ~ミユキside~

 い…言ってしまいましたわ。

 …これで、私の恋路もスタートするのね。

 …もう、後戻りは出来ません。


 こうなったら、駆け抜けるだけですわ!

 そう、サイは振られたのよ…後は野となれ山となれ…という事かしら。

 まぁ、世界は私の都合の良い方に転がりだしていますし…。


 何と言っても、ミツオ君は逸材で、マキとミキも面白そうな雰囲気ね。

 はぁ~、あんな妹達が欲しかったのよ。

 可愛くて、綺麗で、努力家で、負けず嫌いのお転婆娘…。

 調教し甲斐があるわぁ…もう、ゾクゾクしちゃう。

 ミツオ君も…ね♪


 さぁ~て、どんなお話で彼らをお迎えしましょうか…ウフフ。


 ◇ ◇ ◇


 ここは、生徒会室。

 生徒会長席に陣取り、ミツオの到着を待つミユキ。

 愛用の扇子を口元にあて、恋人の到着をソワソワとした面持ち待ち構えている。


 やがて生徒会室の扉をノックする音が聞こえる。

「どうぞ!」

 ミユキの澄んだ声に呼応して開かれる扉。

 生徒会室へ入ってきたのはミツオ君。


「先輩、召集に応じました。」

「待っていましたわ。

 …さぁ、こちらへ。」

 生徒会長席の前に座るように促すミユキと、それに応え、席に着くミツオ。


「そちらのお二人さんも、こちらへどうぞ。」

 扇子を口元にあて微笑むミユキに促され、ミツオに遅れて生徒会室へ到着し、扉に隠れているマキとミキ。

「「お…お邪魔…します…。」」

 バツの悪そうな顔でミツオの隣、ミユキの前に並んで座るマキとミキ。


「役者は揃いましたね。」

 ミユキがゆっくりと席を立ち上がる。


「まずは、私とミツオ君の馴れ初めから話したほうがいいかしら?」

 ミユキの言葉にマキとミキが激しく頷く。


「そうね…。

 お話しましょう…私とミツオ君の馴れ初めを。

 そして、私の想いの丈を。」

 ミユキはゆっくりと語りだした。


 -----------------------

【次回予告】

 ミツオです。

 先輩…あの話をするのかなぁ?

 まぁ、良いんだけど…ね。


 さて、次回は『生徒会室にて』

 …で、オレが呼ばれた理由が今一つ分からないんだけれど。

 あぁ、そうか…先輩のを受けて…って、えぇ~?

 どういう事ぉ~?

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