ミキの里帰り
「じゃぁ、行ってきまぁ~す!」
宿泊荷物を抱え玄関を出ていくミキ。
「気をつけるのよぉ~。」
エリが笑顔で手を振る。
「「はぁ~い!」」
ミキの荷物持ちを手伝うマキ。
ミキの両親が『クリスマス休暇』で帰国する事が分かったのは、一週間前だった。
途中、ミツオに出逢えば…
「「ミッくぅ~~ん!」」
声をかけてしまう二人。
「お~~ぅ!
…って、どうしたんだ?
二人共…。」
マキとミキの姿に荷物片手のミツオが慌ててやって来る。
「実はね…。」
ミキが事情を説明すれば
「そうかぁ。
おじちゃん、おばちゃん戻ってきてるんだね。」
笑顔のミツオに、ちょっと嫉妬気味のマキ
「うん!」
笑顔のミキ
「じゃ、ここで二人にクリスマスプレゼントを…。」
そう言ってミツオが
「「そ、そんな…。
クリスマスは明後日だよ?」」
思わず荷物を落としてしまう二人。
「まぁ、いいじゃない!
折角会ったんだし…。」
「「…。」」
沈黙した二人を眺めながら、紙袋から小箱を取り出しミキへ手渡すミツオ。
「ほい、ミキちゃんにはこれ!」
「あ…ありがとう。」
小箱を受け取るミキ。
「そんでぇ…。」
紙袋をそのままマキに手渡すミツオ。
「ほい、マキにはこれ!」
「ありがとう…ミツオ君。」
紙袋をそのまま受け取るマキと笑顔のミツオ。
「「ミッ君、開けてみても良い?」」
頷くミツオを前に、プレゼントを開封するマキとミキ。
「「ありがとぉ~~!」」
思いっきりミツオに抱きついてくるマキとミキ。
ミキへのプレゼントは…金細工の中央に象牙で白猫をあしらったブローチ。
マキへのプレゼントは…紺のサスペンダースカートにライトグレーのオフショルダードレス。
「「わぁ~~~!
可愛ィィィィ!」」
二人とも嬉しそうな笑顔…ミツオも安堵の笑顔。
「んじゃ、オレも荷物持ち手伝うよ!」
「「ありがとう!」」
マキとミキの携えていた荷物を持ち上げるミツオ。
乙女二人がキラキラお目々でお礼を述べる。
◇ ◇ ◇
「ここね!」
地図を見ながら
「ありがとう、ミキ!
ミッ君、こっちよぉ~!」
ミキはミツオに合図を送れば…
「お…おぅ。」
歩き方がおぼつかないミツオだった。
ホテルのエントランスに三人が入ると、ゲストコーナーから歩み寄ってくる男女ペア。
「おとぉ~さぁ~ん!
おかぁ~さぁ~ん!」
男女ペアを見たミキが大声をあげて走っていく。
「あの方達が…。」
「そう、ミキの両親。」
たどり着いたミツオの隣に寄り添うマキ。
ミキ親子は幸せそうにハグをしている。
一頻り再会を楽しんだミキ親子がミキの案内でマキ達の方にやって来る。
「やぁ、ミツオ君。
元気だったかい?」
「おじさん、お久しぶりです。」
ミツオと父親が握手すれば
「初めまして、マキさん。
ミキがいつもお世話になって…。」
「いえいえ、こちらこそ。」
マキと母親は挨拶し、母親の腕にはミキがくっついている。
「じゃ、ミキ。
しっかり親孝行するのよ。」
「うん、マキ、ありがとね。」
マキとミキが握手を済ませると、ミキ親子は和気あいあいとホテルの奥へ入って行った。
「行こうか。」
「ええ。」
名残惜しそうにミキを見送るマキ、そんなマキに気を使い、少し離れたカウンターでマキを待つミツオ。
◇ ◇ ◇
帰路の途上…
「ねぇ、ミツオ君。
ミキのお父さんとは知り合いなんだね。」
「まぁ~ね、よくオヤジと三人で釣りに出かけていたんだ。
…もっとも、おじさんは多忙だったので、本当にゆっくり話す機会は少なかったなぁ。」
マキの質問に相槌を打つミツオ
「そう…。
ミキのお母さんは優しそうな
「そうかなぁ…。
あれで、結構厳しいかぁちゃんなんだぜぇ。」
マキの質問に今度はミツオがペロッと舌を見せる。
「ふぅ~ん…。
いいなぁ、私のところもそのぐらい親しくなりたいなぁ…。」
ため息を付いて空を見上げるマキ
「えっ?
エリさん、お料理上手だし、美人で若いし、かぁちゃんのお気に入りだし…イデデ!」
「美人で若いは、余計よ!」
マキはニコニコしながらミツオの右頬を
「まぁ、気を使ってくれて…ありがと。」
頬を赤らめながらマキが答える…けど、ミツオの頬はしばらく抓られている模様。
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【次回予告】
ミキの父、
ミキの母、藤本
いつも娘がお世話になっているようだね。
今後とも、ミキのこと、よろしくお願いしますね。
さて、次回は『新年会』
ほうほう、今年は安達さん
あらぁ、マキちゃんもご家族で来られるのね、楽しみだわ。
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