幼馴染と彼女
新学期始まる
ご期待に漏れず、休み明けの新学期といえば、実力テストなるものが実施されます。
して、その成果と言われれば…。
「エッへッへ~、ビクトリィ!」
マキは秀才ぶりを発揮して、五教科総得点が440点!
ミキを相手にダブルピースをかましている。
「私も負けてないもん!」
ミキも帰国子女力を発揮して、国語と英語は満点御礼!
マキに負けじと、こちらも満点答案を見せびらかす。
そんな感じで対峙している二人の女生徒に挟まれて、逃げ腰気味のミツオ君。
「ミッく~ん…」
左側からミツオの肩をガシッと掴むミキ
「ミツオく~ん…」
右側からミツオの肩をガシッと掴むマキ
「「何処に行くのかなぁ~?
テスト結果を見せてち・ょ・う・だ・い♡」」
二人の手に力が入る。
「…はい。」
返ってきた答案用紙を机に差し出すミツオ君。
机に広がる答案用紙は、40点台のオンパレードだった。
「いだだだ!」
ミツオ君痛がりだす、ミキとマキ無言でミツオ君の肩に置いた手の握力がさらに上昇する。
「ミッく~ん…」
左側からミツオの耳にささやくミキ
「ミツオく~ん…」
右側からミツオの耳にささやくマキ
「「お・し・お・き・ね♪」」
「ぁぃ…。」
消え入りそうな声で返事をするミツオ君でした。
◇ ◇ ◇
さて、微笑ましいイベントは終わり、日常が始まる
…のですが。
ある授業中…
「すいませ~ん、教科書が…。」
ミキが申し訳無さそうに手を挙げる。
振り返る教師…すると
「私が見せますぅ!」
マキが手を挙げ、そそくさとミツオと席を交代する。
椅子ごと後ろに押し倒されるミツオ。
「おう、江藤サンキューなぁ。」
教師は授業に戻り、ミキは頬を膨らます。
「ぷぅ~~~。」
「はいはい。」
マキは気にする風も無く、授業を受けている。
ミキも
あ、ようやくミツオ君が席に付きました。
昼食時…
食堂の複数人ガケのテーブルにて…
「はいっ!ミッく~ん、あ~~ん。」
グキッという音ともに左側に首を向けられるミツオ。
待ち構えるのはミキちゃん。
一口オカズを頬張らされるミツオ。
「美味しい?」
ミキの笑顔に首を二度縦に振るミツオ。
「はいっ!ミツオく~ん、こっちもあ~~ん。」
ゴキッという音ともに今度は右側に首を向けられるミツオ。
待ち構えるのはマキちゃん。
一口オカズを頬張らされるミツオ。
「美味しいでしょ?」
マキの笑顔に首を二度縦に振るミツオ。
「はいっ!ミッく~ん、こっちもあ~~ん。」
グキッ!
「はいっ!ミツオく~ん、またまたあ~~ん。」
ゴキッ!
「はいっ!ミッく~ん、もうちょっとですよぉ~、あ~~ん。」
グキッ!
「はいっ!ミツオく~ん、さいごねぇ~、あ~~ん。」
ゴキッ!
…
ミキとマキのオカズは
んで、放課後…。
「じゃ!行ってくるね、ミツオ君。」
マキはカバンを持つと教室を出ていった。
「ねぇ、マキは何処に行ったの?」
ミキがミツオに質問する。
「テニス部。
彼女、一年生だけどテニス部のエースなんだよ。」
自分の事のように自慢気に語るミツオを前に不貞腐れるミキ。
「ふ~~んだ。
私だってテニスは得意なんだから!」
そっぽを向くミキ。
「だったら、見に行くか?」
ミツオがニッコリ顔になる。
「いいわよ!」
売り言葉に買い言葉、カバンを抱え教室を飛び出し、ミツオに視線を送るミキ。
「テニス部は何処?」
ミツオもカバンを持つとミキのところへ向かう。
「ご案内します、お嬢様。」
「うん、よろしい。」
さて、二人が下駄箱から外に出るとマキたちテニス部員が走り込みをしていた。
マキはミツオたちの存在に気付いたようだが、他の部員を鼓舞しながら走って行った。
「へぇ~、あの娘、真面目に頑張ってるんだ…。」
独りごちるミキだった。
ちなみに、ミツオ君は?といえば、廊下や下駄箱ですれ違った男子生徒諸君から、手荒な祝福を背中に受けているのだった。
「イテテ…。
何か、いつも悲惨なんだよねぇ、オレ。」
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【次回予告】
ミツオです。
どうやら天の声は、オレをイタブルのが趣味になっているようだ…
まったく、主人公を何だと思っている?
さて次回は『テニス対決』
ミキがテニスをしているイメージが湧かないんだよねぇ。
さて、ど~なることやら。
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