デート-2
謎のウーマン二人に連れられて来たのはファミレスだった。四人席で友莉を隣に彼女らと向かい合うように座る。
「えっと…どちらさま?」
「えっとね。仕事仲間のサキとミドリ。実は蓮くんのことバレちゃって…」
なるほど…彼女らの瞳を見る限り好奇心から私に話を聴こうとしているのか。こういうのは慣れないが、彼女の友人を無下に扱うわけにはいかない。
「宜しくお願いします。友莉の彼氏の楠蓮です。」
軽く頭を下げると、正面に座っているボーイッシュな女性が口を開いた。
「こちらこそ宜しくお願いします。友莉の同僚の
クールビューティーという言葉が当てはまる女性だな。マッシュヘアーに前髪を片目に垂らしており、その瞳は狐のように鋭いが何処か幼さを感じた。
「次はわたし!わたし!」
身体を乗り出して手を高く挙げるのは小柄な少女だった。団子を拵えた艶やかな髪に大きな瞳は、どこか悪戯心があるように思える。
「私の名前は
「えっと…普段はクールだけど家では甘えてくれるところとかギャップがあって好きだね。」
「ひゅー!他には?」
「こら!咲、楠さん困ってるでしょ。」
「そんな事言ってるけど、いちばん翠が気になってたくせに。」
「ちょ、何言ってるの!僕はただ友人の彼氏について知りたいと思っただけで…」
ほお…僕っ子か。見た目とは裏腹に可愛いらしい印象を焦った表情から感じる。なんというか愉快な人達だ。
「二人とも蓮くんが困ってるでしょ!やめてよ。本当ならデートの予定だったのに…」
腕にしがみつく友莉を優しく撫でると猫のように頬を擦ってくる。その様子を見た二人は驚愕の表情を浮かべ、瞳を丸くしている。
「懐いた人には甘えるタイプっていうのは知ってたけど…まさか彼氏だとここまで甘えるとはね。」
「デートを邪魔したのは悪いと思ってるけど、私達に秘密にしてた友莉も悪いと思うよ!」
「だって知られたら、こうなるって分かってたんだもん。特にむっつりの咲は根掘り葉掘り聞くじゃん。」
「むっつりじゃないもん!」
席を立ち上がる彼女を白河さんが片手で制する。
「はいはい、落ち着いて。今はそれより二人の話が聴きたいね。そうだな…初デートとかどうだったの?」
初デートか…あの頃は二人ともぎこちなかったな。
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