第12話 宿屋

 商人の馬車は黒色の狼の様な魔物の集団に襲われていた

2人の護衛の内1人は腕から血を流している

「大丈夫ですか?今回復させます」


リカの数珠が長くなり護衛の腕に巻き付くと同時に光、護衛の腕を癒した


「加勢します!」

シオンは複数の魔物に向かって行きリナは呪文を唱え始めた

地面の草が成長し魔物の脚に巻き付き魔物の動きを止めた

 動きが止まっている魔物達をあっと言う間にシオンが倒した


「助けて頂きありがとうございました。助けて頂いたお礼です、どうぞ」

商人はシオンに古びたネックレスを渡した


「これは?」

シオンが商人に尋ねる


「こちらは幸運のネックレス、1日1回幸運が訪れると言われてる古代に作られたネックレスです」


「そんな高価な物を頂いて良いのか?」


「どうぞどうぞ、ずっと売れ残っていた物なので」


「なら有り難く受け取るよ」

シオンはネックレスを貰い商人達を連れ王国へ戻って行く


 王国に着くと商人達と別れ門の外でカイトを待つ

「さっき商人に貰ったネックレスを付ければカイト来るかもよ?」

リナは笑いながらシオンに言う


「1日1回幸運が訪れるか…どんな大きさの幸運なんだろうか」


「ねぇねぇ、とりあえずご飯食べに行こうよ!昼ご飯食べそこねちゃったし…」

夕日に照らされながらリカは2人を目の前にある宿屋の食堂へ誘った


 シオン達は食堂で食事をし会計を終えると、ちょうど国王直属の兵士達が現れ兵士に3人は酒場へ連れて行かれた。

兵士達に酒を奢って貰い酔いしれた3人は夜道を歩きながら空いている宿屋を探す

 大通りの宿屋は既に満室だった為、大通りから外れ細い路地を進んだ古びた宿屋に入った


シオン 「こんばんわ!部屋空いてますか?」


宿屋の女将 「2階の2部屋なら空いてるよ、どうする?」


リカ「アタシはリナと一緒に部屋使うよ」


シオン 「じゃた2部屋貸して下さい」


宿屋の女将 「毎度!!」


シオンはリカ、リナと別れ部屋に入る


 2階には3部屋ありシオンの部屋の隣には別の客が入っていた

夜寝てるとシオンの隣部屋からブツブツ声が聞こえた

「ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙……どうしよう…どうしよう」

「ぁ゙ぁ゙ぁ゙……」


(隣の客大丈夫かよ……)

シオンは心配になり隣部屋の扉を叩く

…ドンドン

「大丈夫ですか?何かありました?」


部屋の奥から

「ぁ゙ぁ゙ぁ゙……すいません大丈夫です」 

ビクビクした声が聞こえ


「何かあったら気軽に行って下さい、隣の部屋に泊まってるので」


「………」


幸運のネックレスの効果で隣の部屋にカイトが泊まっている事をシオンは知らず

部屋に戻り眠りに付いた







  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る