第11話 勇者パーティⅢ

「カイト待たなくて良いんですか?」

リナは門に向かって歩くシオンに困惑しながら聞いた

「門番から門出の言葉を貰った以上、出発しないでいるより門を出た所で少しカイトを待つ方がいいと思う」

カイトはゆっくり歩きながらリナに小声で伝えた


「よし!ここからアタシ達の新たな旅が始まる。アタシ達パーティで魔王を討伐し1日でも早くこの星の皆が平和に暮らせるように、そしてこの旅の中で誰1人欠ける事無く無事にここ王国に帰って来るよ!」

 門を出たリカは振り返り王国に向かって自分の気持ちを叫んだ

そしてシオンとリナも門を出る


シオン 「リカ1日でも早く平和を取り戻したい気持ちは分かるだがもう少しだけカイトを待とう」


リナ 「誰1人欠ける事無く無事にこの旅を終えられるようにするにはカイトを待とうよ!私達は皆強い、でもその強さを過信しすぎると皆で無事に帰って来れないかもしれない皆で無事に帰って来れる確率を上げるにはカイトを待った方が良いと思います」


リカ 「そだね!魔王の強さもどれだけ強いか分からない、それにアタシ達は4人で勇者パーティだもんね」


 シオン、リナ、リカはカイトを待つ事にした

……

………


「全っ然っ来ねー!!」

 痺れを切らしたシオンは叫び出した


「アタシお腹が空いた〜お昼にしようよ」

 時刻は既に昼近く、待ち疲れ少しピリ付いたムードを変えるため2人を食事に誘った


「だれか、助けてくれ!商人の馬車が魔物に襲われてる!!」

男性が王国の門へ走りながら叫んでいる


「食事は後だ、助けに行こう!」

リナとリカは頷いた


門番と3人は襲われている場所へ向かって走っていった


その数分後…カイトは門に着いた

(……誰もいない)

(まさか……置いて行かれた!?)


「ダッハァァ!! 勇者パーティに勇者が置いて行かれるなんて……絶対皆にネタにされる」


(いやいや、待て待て、ドッキリかも知れない実は待ってました的なやつ)

 カイトは門の裏側を見るが誰もいない

門を出て周りを見渡しても誰もいない


カイトは少し涙目になり宿へ戻って行く

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