第10話 勇者パーティ Ⅱ

 精神攻撃を受け洗脳状態になってしまったリカはスッと立ち上がる

「大丈夫か!?」

シオンは羽の攻撃をガードしながら横目でリカに尋ねる

「……」

リカの目は魂が抜かれたかのように輝きを失っていた

 

 ようやくマロウの羽攻撃が止む

リカは突然シオンを後ろから前蹴りをしてカイトをよろけさせマロウの元へ歩いて行く。

「おい!リカどうしたんだ!!」

「……」

「シオン!リカの目を見て!マロウに操られているわ!」

リカの言葉を聞いたシオンはマロウの元へ歩いて行こうとしているリカの手を掴んだ

「…は・な・せ」

リカの数珠が光りながら大きくなりシオンの体を拘束した


「フハハハ!実に良い。私の眷属にしてやろう!さぁ私の元に来るがよい」


「…待て

俺達はこれ以上欠けるわけにはいかないんだ…」

数珠に拘束され倒れこんだシオンは苦しそうに言った


〜時は戻り勇者パーティ出発当日

シオンは門が開く少し前に集合場所へ着いた。


シオン 「おはよう!2人共早いね!!」

リナ 「おはよう!私達も今来た所ですよ!今日から長い旅になると思いますが皆で魔王を倒し平和を目指しましょう!」

リナは2人の士気を上げた


シオン 「あとはカイトだけか」


リナ 「昨日誰よりもやる気満々だったからその内来るんじゃない?」


リカ 「そうだよね~このアタシでさえ時間通りに来てるんだから遅れて来る事はないっしょ!」


リナ「私が起こしてあげたんでしょうが(笑)」


シオン 「てか、流石勇者だよなぁ!?国王様に魔王討伐のお願いされた時の返事、声に力が入っててあの声で身の引き締まりを感じたよ」


リカ 「分かる〜あの声はエモかった。城中に響き渡っててビビったわ!リナはカイトの力のある声でアガった?」


リナ 「私はうるさいの嫌いだから途中から魔力で音を遮断したから何にも聞いてない」


 たわいない会話をしていると鎧を身に纏った年老いた門番が門を開きにやって来た



門番 「おはようございます!もしかして昨日、国王様に集められた勇者パーティですかぃ?王国中、勇者パーティが結成された話題でもちきりですよ!」


リカ 「そだヨ!アタシ達が国王様から選び抜かれた勇者パーティ開門と同時にアタシ達の歴史の幕開け〜」


門番 「そうでしたか!なら僭越ながら私が勇者パーティの歴史に幕を開けさせていただきやす!」

そう言うと門番は扉の近くの高台に登った


門番 「門の外側に魔物の姿無なぁし

キァァイ門!!」

気合を入れ過ぎ裏声になった門番が門の開閉ボタンを押した


キーギーゴゴゴッ鉄の門が内側へ開いていった


門番 「勇者パーティの皆様、魔王を倒し凶暴化した魔物の脅威から我々否、この星をお救い下さいよろしくお願いしやす」

 高台から門番が勇者パーティの門出を見送っている


シオン (門番が見送ってくれてるけど…カイトがまだ来てないし出発しなきゃ行けない雰囲気になっちゃってるよ…それにリカ門に歩き出しちゃったよ)

リカが開門された門に歩き始めている為シオンとリナもゆっくり、凄くゆっくり門に向かって歩き出す

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