第8話 変わり果てた妖刀 寝不足のサリナ
ドンドンドン
「すいませ~ん!開けて下さい!昨日渡した俺の妖刀返して貰ってないんですが……」
カイトは神殿の扉を叩いた
扉の中からサリナがフラフラしながら刀を持って出てきた
よく見ると妖刀だった時の紫色のオーラは無くなっていて変わりに聖なる輝きを放っていた
「お、お、俺の妖刀が〜!!
まだ1度も使ってないのに……」
(妖刀って響きカッコ良かったのに…それに紫色のオーラを出し目を擦り赤く充血させた状態で敵を倒す予定だったのに…)
カイトは変わり果てた姿で返ってきた妖刀を見つめ悲しそうにしていた
〜時は戻り妖刀を預かった女性は研究が大好きな女性だった。
ニヤニヤしながら彼女は妖刀を聖水に浸し修道服の女性達を集め祈りを捧げ続けた。そしてサリナに妖刀に聖なる光を使って欲しいとお願いし妖刀に聖なる光と祈りを朝まで与え続けた。
聖なる光、聖水、祈りによって妖刀はジュ~っという音を出し少しずつ紫色のオーラが蒸発していった
結果、紫のオーラを煌めかせていた妖刀は清められ聖なる光を帯びていた
聖なる光を帯びた刀は災いを招く妖刀から幸運を招く聖なる刀に変わっていた
「サリナさん大丈夫?すっごいフラフラしてくれど…」
リオは心配している
「昨日は妖刀の妖気を清めるために寝ないで聖なる光と数人の修道服の女性と共に祈りを捧げ続けて睡眠不足とMP切れで…すいません勝手に妖刀を清めてしまって」
今にも倒れそうなサリナはかすれた声で言った
「だ、大丈夫‼気にしないで!!
てか少し仮眠でもしてきなよ、俺とリオは飯食べに行って来るから」
「すいませんがそうさせて貰います」
サリナはそう言って神殿へと入っていった
カイトとリオは大通りにある食堂へと向かった
「すいません、モーニングセット2つ下さい」
「あぃよ〜!」
女将が元気良く言ってモーニングセットを直ぐに持って来た、硬いパンにサラダと薄く切られて焼かれた肉が3枚付いていた。
「サリナさん仮眠だけで大丈夫ですかね?」
「ん~やっぱ仮眠だけじゃ疲れ取れないよね…馬車でも借りる?それか出発明日にする?」
「神殿でサリナさんと、どうするか話ましょう」
2時間位食堂で時間を潰しリオとカイトは神殿へ向かいサリナと話す事にした。
神殿に着くとサリナは既に起きていて朝よりも大分体調が良くなっているのが分かった
「サリナさん大丈夫?出発明日にします?」
「いえ!仮眠までさせて貰えたので私は大丈夫ですよ」
「なら次の街まで馬車を借りて行きませんか?馬車の中でもゆっくり出来ますし」
「良いのですか!?助かります!」
「なら次の街までは馬車で行きましょう」
「それなら私達が持っている使わなくなった馬車を使いませんか?そうすればお金が掛からないですし」
「使わせて貰えるならお願い出来ますか?」
「勿論!!では馬車を取って来ますね」
サリナは馬車を神殿の裏にある馬小屋へ取りに行った
馬2匹が何の装飾もない木製で四人乗りの馬車をサリナが操縦し持って来た
「立派な馬車だな」
カイトとリオは驚いていた
「どうぞ、荷物をおのせ下さい」
カイトとリオは自分達の荷物を馬車にのせた
「では‼出発しましょう」
修道服の女性達が見送りとして来てくれた
「サリナ闇のエネルギーを頼みましたよ」
「頑張って来てくださいね」
「行ってらっしゃい」
など声を掛けてくれた
「では!皆さん行ってまいります」
修道服の女性達に見送られカイト、リオ、サリナはノトの街から旅立って行った
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