第150話 迎え撃つ悪
「魔法少女達がやって来ます」
虎姫や、皆で集まってる時にオルタナがそんなことを言い始めたんやけど。何でそんなことがこの女に分かるんかいな。そのトンガリ帽子がレーダーにでもなってるんかいな。
「なんでそんなこと分かるんや?」
「この場所を探る魔力の流れを感じました。暫くすればゲートを開いてここに魔法少女達が流れ込んで来るでしょう」
へぇ、流石はウチらを連れてきた首謀者やな。色々出来よるわ。
「それなら、コチラが打って出るべきだ‼」
同僚をやられて最近機嫌の悪いマジックライオンちゃんが吠えたけど、オルタナは静かに首を横に振った。
「それは非効率です。敵が我々のホームにわざわざ侵入して来るんですから、コチラは万全の準備でそれを迎え撃つべきです。向こうには奇襲というメリットもありませんしね」
「デ、デストロ様はそれで良いのですか⁉」
ライオンちゃんがそう聞くと、ヤギの大将は「うむ」と言いながら首を縦に振った。それを見てライオンちゃんは明らかに不服そうやったんやけど、自分のとこのトップの言うことに逆らうわけにもいかんわな。大人しく引き下がりよったわ。
「他に異論はありませんか?無いようでしたら、これから作戦について話させてもらいます」
オルタナの作戦はこうや。まずゲートを潜ってきた奴らをオルタナが魔法で各ブロックに送り出す。その各ブロックには大勢の軍団を配置しておいて魔法少女達の力を消費させる。その後でウチらがトドメを刺すって作戦らしいわ。うんうん、割とシンプルやな。
この作戦にも誰も異論を唱えないんやけど、まぁ異論唱えたかて、オルタナの方が一枚も二枚も上手やろうな。何もかもお見通し感が半端ないもんなぁ。まぁ、これだけは聞いとかんと。
「何処に誰を呼ぶかは教えといてもらいましょか」
ウチはニコッと笑いながら二階堂が何処に来るか教えてもらったわ。
そんでもってクリスマスの日。魔力の乱れを感じたオルタナは魔物達を転移魔法で配置し、ウチも二階堂の来るブロックにダッシュした。胸が熱く心臓の鼓動が早くなっとるわ。あの女とガチでやり合えるなんて嬉しゅうてたまらんなぁ。
ブロックに着くと魔物達を押しのけてウチは先頭に立った。それじゃあオルタナの作戦と違うじゃないかって言う人もおるやろうけど、異論はないけど誰が作戦を忠実に遂行するって言うたんや?アドリブも大事やねん♪
空間が裂け、飛び出して来たのは二階堂とその弟子や。弟子はキョトンとした顔をしとる。
「あれ?なんで待ち構えられてるんですか?というか皆は?」
ウチはダッシュで二階堂に近づき、右の拳を二階堂の顔にぶちかまそうとした。
しかし、二階堂もすぐさま右手の平でウチのパンチを受け止めた。バチンと良い音が鳴りよったで。鋭い目つきですぐさま戦闘態勢なのもグッドやな♪
「ようこそ地獄の一丁目へ♪さぁ、思う存分やろうや♪」
何もかんも忘れてのド突き合い。これ以上楽しいことがあるかいな♪
魔法少女の師匠〜師事する師匠は格闘系〜 タヌキング @kibamusi
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