第62話 矛盾合戦

 エレクトロンデス。

 ハッキリ言って二階堂さんなんて敵ではありまセン。

 シュミレーションでは百回やって百回は勝っていマスし、私の勝利は揺るがない……普通ならそうなのデス。

 ですが二階堂さんに限ってはそうはならナイ。言うなれば彼女は私達の予想を超えて行くミラクルウーマンなのデスから。

 

「二階堂バスターアーム装着」


 私の左手にカチャカチャと機械の装甲が装着されていきマス。理論上はこれで二階堂さんの拳を砕くばかりか、全ての骨という骨を砕くことが出来マス。


「なんだそれは?面白い力比べと行くか?」


 向かって来る二階堂さん。この時点で予想の1.5倍の速さ。それを修正して私は左手の拳を握りまシタ。


「二階堂流活人拳・正拳火炎突き‼」


「二階堂キラーパンチ‼」


 二階堂さんと私の炎を灯した右手と私の左手がぶつかりマス。


”ドォォオオオオオオォオオン‼”


 この際の衝撃がすら理論値を超えてオリ、ショックアブソーバーを付けているのに左手がビリビリしマス。しかし、壊れなかっただけでも恩の字デス。

 私はそのまま二階堂さんの右手を握りシメ、ブンッと宙に投げ出しまシタ。

 そして宙に浮いた彼女の体にめがけて、魔法で作った雷の槍を左手で握りマス。


「オーディン・ゲイボルグ‼」


 何処に逃げようとも追跡する絶対必中の槍デス。逃げようがありまセン。けれど二階堂さんが逃げるなんてことは無いでショウ。こればかりは予想通りに事が進むと思いマス。


「ほう、槍でも鉄砲でも核でも何でも来い。全部受け止めてやる」


 宙に居ても余裕たっぷりな二階堂サン。流石に地球出来るだけ無傷で手に入れたいので核兵器なんて使うわけにはいきまセン。これで勘弁してくだサイ。


「投擲‼」


”ブンッ‼”


“バァアアアアン‼”


 投げると同時に二階堂バスターアームが爆発しました。どうやら先程の拳の打ち合いで限界が来ていた様デス。シュミレーション通りに行かな過ぎて戦慄すら覚えマス。

 さて、オーディン・ゲイボルグはというと、見事二階堂さんの心臓に突き刺さって……まセンね。当たる寸前の所で二階堂さんに両手でキャッチ&粉砕されてしまいまシタ。


「次はコッチから行くぞ‼二階堂流活人拳・踵落とし‼」


「エネルギーシールド展開」


 向こうが逃げないのだからコチラも逃げまセン。真っ向から戦ってやりマス。

 真上から落ちて来る二階堂さんの右足の踵が、私のシールドと衝突。


”ズドォォオオオオオオォオオォオオン‼”


 先程、拳を突き合わせた時より凄い衝突音が鳴り響きまシタが、流石エネルギーシールドビクともしナイぜ♪だが希望的観測はいけまセン。相手は常に予想と想定を超えて来るクレイジーウーマンなんデス。


「二階堂流の踵落としは二段ある。」


 そう二階堂さんが呟いた矢先、エネルギーシールドが霧散し、踵が私の頭目掛けて落ちてきまシタ。ここはアドリブがモノを言いマス。


「えっ……えーっと、エレクトロンヘッドバッド‼」


私は歯を食いしばって頭を二階堂さんの踵にぶつけまシタ。


”ゴチーン‼”


「アウチ‼」


 流石に無理がありマスよね。メチャクチャ痛かったデス。エネルギーシールドで威力軽減して無かっタラ、頭蓋骨が砕けてまシタ。

ギャ、ギャグの音なので大丈夫デース♪




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