第60話  約束の決闘

~十年前~

 

 エレクトロンデス。悪の権化こと悪魔大総統を倒して一週間、私は民の待つコロニーに帰ることにしまシタ。


「それでは皆さん、サヨナラデス」


「おう、達者で暮らせ」


「エレクトロンさん、お元気で」


「ガッハハ‼宇宙魔法少女、宇宙に帰るなんて良い見出しだな」


 二階堂さん、大神さん、そしてオマケのチャガマが宇宙船に乗り込む私を見送ってくれまマス。皆さんとの日々は八か月程でシタが、どれも輝いていマス。

 名残惜しい部分もありマスが、湿っぽいのは私の性には合わないので、スッと別れるのが一番でショウ。

 カンカンと私は宇宙船から伸びたタラップを登って行きマスが、最後にこれだけは言っておかないといけないと思イ、後ろを振り向きまシタ。


「地球人共、次必ず地球を侵略してやるかラナ♪覚悟してオケ♪」


 笑顔で私がこう言うと、二階堂さんが二ッと笑って拳を突き出しまシタ。


「その時は返り討ちにしてくれる♪」


「フフフッ♪雌雄を決しまショウね♪約束デスよ♪」


 こうして地球をかけた戦いをすることを約束し、私は地球を後にしたのデス。



~十年後~


 火種です。流石に満身創痍なので超変身を解いて、ノーマルな魔法少女の状態で師匠とエレクトロンさんの戦いを見守ります。


「指弾・火花」


 師匠はいつもの両手でサムズアップのポーズをして、そこから炎の玉を弾き出します。いつもなら様子見などせずに突っ込んでいる師匠ですが、流石に今回ばかりは慎重に戦うようです。


「その技は十年前に解析済みデス♪電磁ネット展開♪」


 エレクトロンさんが右手に付いたキーボード型のデバイスをカタカタと左手で叩くと、彼女の目の前に細かい網目の光り輝くネットが現れ、師匠の撃ち込んだ火花をいとも簡単に防いでしまいました。あのダーマスのバリアーも貫通した弾なのに、流石は師匠と同期の魔法少女です。


「ふん、やはり接近戦で行くか」


「その方が良いでショウ。二階堂さんは魔力量が少ないんデスから、無駄撃ちはオススメできまセン♪」


「フン、ほざけ侵略者」


「フフッ、うるさいデスよ、地球人♪」


 戦っているのにちょいちょい仲の良い感じを出しているのにジェラシーを感じてしまいます。もしかしてこの二人、当時は百合カップルだったんじゃ無いでしょうか?……師匠、私というものがありながら。

 何だか師匠を寝取られた気がして再び黒くなりそうでしたが、今は嫉妬に狂っている場合じゃありませんね。


「ここから出してーーーー‼」


 そういえば彩夏ちゃんが捕まったままでしたね。師匠とエレクトロンさんの戦いを観戦しながら、何とかあの檻を破壊できないかやってみますか。





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