第52話 魔法少女観察日記

「ほぉほぉ、あれが今の魔法少女なんデスねー」


 瓦礫に隠れながら私は魔法少女達を観察していマス。

 私が人知れず地球に降りた後、すぐに魔物達が来るのは想定外でしたが、おかげで良いデータが取れそうデス♪


「死ねコラ‼」


 えーっと、さっき本屋で買った【特集‼魔法少女‼】によると、あの言葉遣いが乱暴な紫の子がウィザード・ミストらしいデスね。

 幻覚幻影による魔法で敵を翻弄し、あの大きな鎌で切り裂くと、なるほどなるほど、トリッキーな戦い方が得意な様デスね。

 この手の魔法少女は珍しいので観察しがいがありマス♪


「ちょ、ちょっと霧子ちゃん‼私も居るんだからブンブンと鎌を振り回さないで‼」


 そう言いながら樹木を操り敵を絡めとっているのが、ウィザード・フォレストと。

 木々を操って敵を足止めしたり、傷ついた仲間を回復魔法で癒したりする縁の下の力持ち的な役割デスね。

 中々に地味デスが、こういう手合いは先に潰しておかないと後々厄介デス。

 よし、ここには二人しか居ない様なので次に行きマスか。場所移動デス。



 爆音がする方に歩いて行くと、更に三人の魔法少女が戦っているところに遭遇。

私は再び身を隠しながら観察を続けマス。


「敵が多いですね。疲れます」


 弓を斉射しながら溜息をついているのが、水の魔法少女ウィザード・アクアと。

 中距離レンジからの弓での攻撃が得意な、典型的な後方支援タイプの魔法少女デスね。特別何も無さそうデスが、一応チェックしておきマスか。


「爆炎百裂パンチ‼」


”ドォオオオオオオォオオオオオオオォオオン‼”


 それで、あのいっぺんに五体の魔物を吹き飛ばした赤い少女がウィザード・フレア。最近メキメキ強くなったチームのリーダー的存在ですね。

 最初の内は火の魔法を使いつつ格闘で敵と戦うマルチレンジの魔法少女だったらしいデスが、今は格闘戦に磨きを掛けて、インファイト主体のファイターデスね。

 一人で戦況をひっくり返す力があるらしいデス。これは要注意デス。

 にしても、あの動き何処かで見たことある様な……まぁ、気のせいデスかね。

 それで最後が、雷の魔法少女ウィザード・ライトニングと、ハンマーと雷魔法で戦う魔法少女らしいデスね。使うのが雷ならデータを取る必要は無いかもしれませんが念の為に。

で、何処に居るんデスかね?


「あーお腹空いた。オニギリ食べよう♪」


居ました。あんな所に腰掛けてオニギリ食べてマス。


「ちょ、ちょっと、鳴神さん。オニギリ食べてないで戦って下さい」


「まぁまぁ、流子ちゃん。腹が減っては戦は出来ぬと言いますし。食べても戦って運動すれば太ることも無いし♪」


 ウィザード・アクアから注意されても、オニギリをパクつくその姿勢、これはこれは……正直めちゃ可愛いデス♪

 雑誌に載ってる昔のコロコロ太ってた姿も可愛いし、今の痩せている姿もプリティで、大変素晴らしいデス♪

 私は一人っ子だったので、あぁいう妹が欲しかったのデス♪これは交渉の余地ありデスね♪

 おのれ地球め、侮りがたし♪




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る