平和編 第五話

2-A 教室


ガラガラ


「ただいまー」


「あははっ、まるで自分の家みたいに言うね龍刃」


「いいだろ別に」


さてと、席に戻るとするか。


「ふぁ〜あ、眠いし授業始まるまで寝てよっかな〜。織音、時間になったら起こしてくれ」


「えぇ〜…それぐらい自分でやりなよ龍刃…僕は龍刃の母親じゃないんたからさ…」


「今度なにか奢るからさ!頼むよ!」


「それならもちろん起こしてあげるよ!」


ふっ、こいつちょろいな…


「今こいつちょろいなとか考えただろー!」ポコポコ


「なんで俺の思考が!って、俺の肩を叩くな!痛いだろうが!」


その時


ガラガラ


「おはようー!」


「あっ、お前は葉羽じゃねぇか!朝来なかったけど何かあったのか?」


「うん、愛菜ちゃんとちょっとね。」


「私もいますよ」


「篠原さんもいるんだー随分と仲良くなったんだね二人共?」


織音は茶化すように二人に言った


「そうだよー!私達仲良くなったんだから!もうズッ友だよ!ね?愛菜ちゃん!」ぎゅー


「ぐっ…ぐるじいです………篠原さん………わかりましたがら………」


葉羽のでかすぎる胸で窒息させられそうになっている愛菜…………羨ましいぞ!そこ変われ!


「おっと、ごめんね愛菜ちゃん!」パッ


「はぁ…はぁ…やっと呼吸ができました…死んじゃうところでしたよ………」


「お前らは仲良さそうでいいな」


キーンコーンカーンコーン


「やべっ、席に座らないと。愛菜は急いで戻らないと不味いぞ!」


「それもそうですね!ダッシュで戻ります!では!」ダッ


ガラガラ


「はーい、授業始めるので皆さん座って下さい!5時間目は数学ですよ!」


「え〜〜〜〜〜〜………」


クラスから不満の声が聞こえる。俺もそれには同意見だ。数学なんて眠くなるだけだしな。


「だ〜め〜で〜す!従わない子には生徒指導室へ連れていきますよ?」


「ひっ!それだけはご勘弁を!」


「従いますから!」


さっきまで不平不満を垂れていたのに、生徒指導室の事になったら素直に従い出すクラスメイト達。それもそのはず。生徒指導室には皆から鬼と言われている鬼門先生がいるからだ。あそこに行ったら………もう思い出すだけでガクブルだ


「では授業を始めますね!」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



キーンコーンカーンコーン


「うっしゃあ!授業終わったぜー!」のびー


「もうクタクタだよ…」


織音のやつ、机に突っ伏してるな…


「私は昼休みから来たからめっちゃ元気だけどねー!」


葉羽元気ありすぎだろ…一体どこにそんなエネルギーがあるんだよ…


「よし、織音と葉羽。一緒に帰るぞ!」グイッ


俺は二人の袖を引っ張った


「もう、龍刃ちゃんったら強引だね…そこが好きなところでもあるんだけど」ボソッ


「なんか言ったか?」


「ううん!なんでもないよ龍刃ちゃん!」


僕はガッツリ聞こえてるけどねー全く、この鈍感な男は…


下校途中


「そういえばさ」


「ん?なんだい龍刃」


「お前達って部活に入ったりとかしないのか?」


「う〜ん、部活かぁ……別に入りたくはないかな……龍刃ちゃんが入るなら別だけど」


「僕も葉羽に同意見だよ」


「そんなに俺と一緒にいたいのかよお前ら?」


「ばっ!?///違うよ///ただ友達として一緒に痛いだけだし…///」


「龍刃ちゃん///」


「んんん???」


なんでこいつら急に顔赤らめてんだ…?意味がわからねぇな


「実は何か部活入ろうと思ってたから話したんだ。もしも入りたい部活があったらお前らに教えるよ」


「ほんとに!」


「あぁ、もちろんだ。」


「その時は一緒だよ龍刃ちゃん!」


「絶対に一緒だ」


そして俺達は楽しく会話をしながら、それぞれの家へと帰っていった。


龍刃の家


「ただいまー」


シーン…


そういえばお母さんいないんだったな。だったら適当に飯食って、風呂入って、寝るか。


夜が更けていき…そして…


「おやすみー………zzz」


翌日


「ジリリリリリッ!」


「ぐがー…zzz」


1時間後


「ふわぁ!よく寝たなー!って、今何時だ?はぁ!?朝の7時だって!?やべぇじゃん!いつも朝の6時には起きないと間に合わないから遅刻確定じゃん!」


俺は焦って飛び起きる。だが、俺の扉の前に貼っているカレンダーがふと視界に入った。


「はぁぁぁぁぁーーー………マジで焦ったわ…今日は土曜日かよ……心臓止まったかと思ったわ…」


俺は安心すると、下へと降りていった。


リビング


「冷蔵庫にはなにもないな…今からスーパーで食材買ってくるか。」


その時


ピーンポーン


「ん?誰だ?」


俺は誰が来たのか確認するために、インターホンを覗いてみた。すると…


「龍刃ちゃんー!私だよ私ー!」


葉羽が大きく手を振って大声でそう言った。ったく、声出しすぎだっつーの…


「今、開けるから待ってろよー!」


俺はインターホン越しに言った。


そして玄関


ガチャ


「一体何のようd…」


「龍刃ちゃん!」抱きっ


「む、むぐっ!」


ぐっ!いきなり抱きつかれてめちゃくちゃ苦しい!こいつのでかい乳に圧迫されて窒息死しそうだ…!


「は、離せっ!じ、じぬっ…!」


「あぁっ!ごめんね龍刃ちゃん?会えたのが嬉しくてつい、ね?」


「昨日会ったぶりじゃねぇかよ…で、こんな朝早くに何のようだよ?」


「実はね、龍刃ちゃんの家に何もないからって、料理を作って欲しいって龍刃ちゃんのお母さんに頼まれたんだ!」


そういう葉羽の右手には、沢山食材が入ったビニール袋があった


「まじかよ。それだったら悪い気が…」


「気にしなくていいんだよ龍刃ちゃん!ほんとは龍刃ちゃんに料理を振る舞いたかったし!」


「ありがとな葉羽」


「えへへっ♪どういたしまして!大好きだよ龍刃ちゃん!」


こいつ可愛いな…やっぱり俺のことを……って、いけないいけない…こいつは友達として好きって言ったんだ。だから、決して俺のことが恋愛的な意味で好きって言ったはずじゃないはずた。


「わかったから。ほら、いつまでも外にいないで、家に入れよ。風邪引いちまうぞ?」


「それもそうだね!では、おじゃましま~す!」


「俺も料理手伝うよ」


「大丈夫だよ!龍刃ちゃんはテレビでも見て待っててね!」


「でも…」


「いいの!これは私がしたくてやってることなんだからっ!」にこっ


「仕方ねぇな…でも、もし俺の手伝いが必要だったら遠慮なく言うんだぞ葉羽?」


「うんっ!」


俺はリビングにある4人テーブルの椅子に座り、正面に置いてあるテレビを付けて見た。


テレビ


「緊急続報です。愛野市で謎の集団失踪が発生しています。失踪した原因はわからず、忽然といなくなっているのではないかと警察は考えています。警察は手掛かりを調べています。」


「またこれか」


最近、身近に物騒な事が起こりすぎてないか…?愛野市の事件ばっかりだ…このニュースに限らず、学校の連絡でも近くに通り魔だったり、強盗も多発していると聞くし…何が愛野市に起こっているんだ…?


パチッ


俺はテレビを消した。

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