第13話 とても最高な体育祭 ーAfterー

前回までのあらすじ!!



体育祭のチアで全力を出してやりきった!!


色々と考えなきゃいけないことはあったが


(今最高に楽しいからどうでもいっか!!!)


てな感じで後回しにした!!



(…って!!!!!!)



(どうでもいいわけねぇだろ!!!)


とりあえずチアが終わり、皆で着替え終わった後に一人更衣室に残って悶絶する


パフォーマンスが終わって他のメンバーに迎えられた時、皆泣きながらも感謝してくれた


「過去一で最高の体育祭に出来た!!」と


そう確信したそうだ


俺もそれ自体はとても嬉しかった

というかその為にやったんだから



だがそれはそれ!!これはこれ!!!

どう考えてもやりすぎた!!!



いくらテンション上がってたからって!!変なことばっか口走ってたような気がするし!!



昔の俺はそもそも体育祭なんて積極的に取り組まず、楽しめていなかった


そしてゲームの主人公もまた中学の頃のいざこざのせいで心のそこから楽しめなかった



だからなのだろうか……こんな絶好の機会で手を抜くという発想にはなれなかった




(まぁ…やっちまったもんは仕方ねぇか…)


次の競技も近いのでなんとか気持ちの整理をつけ、更衣室を後にする


そして会場に向かっていると…


「よっ!」


龍牙に待ち伏せされていた


(あーーーやっぱそうなるよなーー)


ゲームではチアの後に最も好感度が高い相手が現れ、褒めてくれる


そしてその時点で既にルートが確定しているとご褒美キスなんかもある


まぁ普通にプレイしてたらここでルートが確定するのなんて龍牙くらいしかいないんだが


(ほとんどコイツ用のイベントだろこれ…)


「…ヤってみて良かっただろ?」


まるで俺のお陰だ、と言わんばかりのドヤ顔


「そうね…思ったより楽しかったわ」


少しでも好感度をあげないように淡々と返す


「思ったよりって…あんなに楽しそうな顔しといてよく言うよアンタ」


「…悪い?」


「…いいや?」


そのまま通りすぎようとすると、すれ違いざまに腕を掴まれた


「離して」


「…なぁ姫さんよ」

「昨日…邪魔されなきゃどうするつもりだったんだよ」


(痛いところをついてくるなコイツ)


「別に、怖くて声が出せなかっただけ」


「…嘘だな」

「アレは、快楽を求めてる目だった」


(これだから経験豊富野郎はムカつくんだよ…)


「ここで続きをヤっても俺はいいんだぜ?」


そう言って手を俺の頭に差し伸べる

恐らくは昨日の再現をしようとしたのだろう


だが!!


「触らないで」


俺はその手を払いのけた

龍牙は驚きを隠せない様子だった


「二度と調子にのらないことね、次はないと思いなさい」


そのまま掴まれた腕も振りほどき、会場へと向かった



(……あっぶねぇ…氷姫あって良かったぁ…)


恐らくはルートに入っていそうな素振りを見せていたがなんとかこれを回避出来た




その後の体育祭は滞りなく進んで行き、

体育祭の勝者は我ら紅組に決まるのだった

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