第4話 頼りないけど危ない先輩

「姫野、申し訳ないんだが………」


授業も終わり、自宅に帰ろうとしていると先生から呼び止められた


(またか……)


ここ最近先生から頼られることが増えてきた

そしてその内容というのは



「ごめんねヒメちゃん…また手伝って貰っちゃって」


「…いえ、学園の為なら当然です」


生徒会の手伝いである

もうすぐ体育祭。その準備に取りかからなきゃいけないというのは分かるが何故毎回巻き込まれるのか


「ヒメちゃんが生徒会に入ってくれれば百人力なんだけど…」


「くだらないことを言ってないで手を動かしてください」


南海景虎みなみかげとら

この学園の生徒会会長であり、1つ上の3年生

ガタイがかなり良く、身長も一番高い

正直一番タイプ。なので真っ先に攻略した


出会いとしてはこちらも分かりやすい

先生からの手伝いを断らなかったり、生徒会に入ったりすると出会う


強制イベントだと廊下でプリントを運んでいる景虎とぶつかり、一緒に片付けることになる


見た目も茶髪なくらいで一番シンプル

ちょっと情けないがいざというときは助けてくれる定番のタイプ


「万年人手不足でね…案外本気で誘ってるんだよ?」


「お気持ちだけ受け取っておきます」


そしてルートに関して

流石にドSが2人なんてことはあり得ない

なので安心…ではなく!


見た目から分かる通りパワーは有り余っている

そのパワーから行われるプレイはなんともアグレッシブ!!

駅弁から持ち上げバックまでヤりたい放題

それに伴ってめちゃくちゃセックスが激しい!

主人公がイケるようになってからもイこうがどうしようがお構い無し!

延々と腰をふられ続けるのだ



そしてなにより…

アレもデカイ!!!!


いや初見の時はマジでビビり散らかした

男用のゲームでもなかなか見ないくらいデカイ


そんなものを奉仕させられよう日には男として敗北するような気がする


…ちなみに見た目がタイプなので普通に使えた



そうして漸く手伝いを終え、帰路に着く


はずだったのだが


「あ、あの、姫野先輩!」


帰り際に女子生徒から声をかけられる


「なに?」


「あ、あの……好きです!」


(…は?)


「なに言ってるの?私は女よ?」


「分かってます!でも、この気持ちには正直でありたいなって!」


まさかの百合

なるほどそういうルートも出来るわけだ

基本的にメインルートを走り抜けたから知らなかったがそういう楽しみもあるらしい


「お気持ちは嬉しいけど、私にそんな趣味はないの。ごめんなさいね」


とりあえずその場はフッておいた

唐突なイレギュラー

これで「氷姫」の効果が切れようものなら目も当てられない


(でも百合か…一番ありか?)


そう考えながら学園を出ると



「相変わらずモテモテだねぇ!」


一人のギャルに声をかけられた


「他人事だと思って…大変なのよ」


西条恵さいじょうめぐみ

名前から分かる通りドS野郎玲央の姉だ

つまるところの友人枠で、好感度なんかを教えてくれる役割を持つ

ルートによってはライバルになったりもするが…処女エンドを目指している今は親友みたいなもんだ


「ていうか恵、貴女よね?玲央くんに私の家を教えたの」


「あ、バレちったか…ごめんごめん玲央がどーしてもって言うからさぁ」


「許さない、アイス奢って」


「仰せのままに、氷姫ちゃん!」



唯一といってもいい気が休まる相手だ

ゲーム中にも色々と条件は探していたのだが、

恵とアレコレするイベントは見つからなかった


なので恵の前では氷姫じゃなくていい



(にしても2年目の難易度おかしいだろ…)


今日1日でまた全員と出会ってしまった

しかも明らかに好感度が進んでいる


(……マズいかもなぁ)


なんてことを考えつつ、恵にアイスを奢らせ家に帰り着くのだった

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