第3話 同級生の危ないヤツら

「それじゃあヒメさん!また明日ー!」


学園に着き、玲央と別れる


ゲームでは中等部だった玲央も一年経ったせいで高等部に上がってきた

つまり同じ校舎にいることが増えたわけだ


(面倒なことになった…)



これから毎日登校しなければならないのか

そう憂鬱になっていると…



「よぉ姫さん、朝からおアツいこって」


下駄箱に靴を直していると男が後ろから覆い被さるように現れ声をかけてきた


「…どいてくれない?」


「ツれないこというなって、後輩ちゃんみたいに俺にも優しくしてくれよ、な?」


北斗龍牙ほくとりゅうが

1年生の頃からの同級生

いわゆる俺様系でチャラ男

数多くのセフレを持ち、攻略対象の中では経験が一番豊富


必要ステータスは「見た目」

コイツに関しては初登校でどうあがいても出会ってしまう


青い髪に両耳ピアスの細マッチョ

授業はサボりたい放題

女を取っ替え引っ替えヤりたい放題


普通に嫌いだ


「貴方みたいな不純な方に優しくする意味はありません」


「おいおい…最近は遊んでねぇっての」


しかし、お約束なのだが主人公と出会うことでセフレ達との縁を切り始める


それどころか授業にもキチンと出るようになり

ゲーム中ではとある事件をきっかけに距離が急激に縮まる


そのイベントが龍牙のルートに入る条件なのだが…



「いいから速くどいて。自習したいの」


「だったら俺にも教えてくれよ。いいだろ?」



龍牙のルートが一番普通と言っても良いかもしれない


豊富な経験を元にひたすら甘々なセックスをするだけ。玲央に比べればかわいいものだ


だが問題はその頻度

この男、至るところで盛りだす


トイレや体育館裏、部活をしていれば部活中に乗り込んできてヤろうとしてくる


肉体的に危ないというより社会的に危ない

という理由から龍牙ルートもあり得ない


…まぁ使えたけどね?





その後なんとか龍牙の元から抜け出し教室にたどり着く


すると


「ようやくきたな姫野!……そんなクズと一緒とは氷姫が聞いて呆れる」


「変な妄想しないでもらえる?勝手についてきてるだけ」


俺の後ろから着いてきた龍牙に対してとてつもない嫌悪感を抱いている男こそ、3人目の攻略対象


東坂昴とうさかすばる

中等部で学年一位を欲しいままにしてきた男

ゲーム中でも学力ステータスを上げない限り一位はこの男のものになる


出会いに関してはシンプルで、定期テストで5教科の内1つでも点数を上回ること

そうすることで勝手にライバル視してくる


そんなことをしなくても図書館で偶然バッタリ出会う


金髪眼鏡のイケすかない奴

正直初見だとワーストまであった


「姫野、この前も言ったが次の期末テストでは俺が必ずお前を下す!その暁には…その…」


「なによ気持ち悪い」


実のところ昴はただのコミュ障

自分には取り柄がないと思っていて、そのせいか中学時代は勉強にのめり込んだ


なによりオタク気質な面がある

図書館で出会うのも話題の漫画を見ていたところを主人公に発見されたことがきっかけだ


そして肝心のルートはというと…


「……敗者は勝者の言うことを聞くものだ」


「は?なに?本当に気持ち悪いんだけど」



コスプレさせられる


所謂いわゆるコスプレエッチだ

それだけだとまだ良いかもしれないが…

ご覧の通り童貞も童貞


セックスがへっっったくそ!!

初夜なんて入れる前に出しやがった


ゲーム中でも主人公が痛がる描写がある


終盤にもなれば上手くなっていき、様々なコスプレでヤりまくるだけなのだが…



もし初めてを捧げる機会があるとしてもお前じゃない

痛いのはごめんだ


いやそんな機会は一生来ねぇけど!!!



ちなみに昴ルートの楽しみは主人公のコスプレ姿がかわいいって所と、逆レ要素が多い所


使えるかどうかで言えば…まぁ全然使えた




そんなこんなでやっと席に着き、勉強という名の暇潰しをする


テストなんて余裕だ

ちょっっと目を凝らせば答えが見えるからな



なので授業も聞く必要がない

聞いてなくともゲームではステータスが下がるなんて仕様は無かったし、安心安心



そうやってなんだかんだと今の暮らしにも慣れてきていた




はずだった










Ver1.04に更新しました

主なアップデート内容


細かいバグの修正

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