第4話 愛の表現

「期待してるみたいだね、お兄ちゃん」

そりゃあんなことされて、家に帰ったら濃厚なキスよりもスゴイものが待ってるという話を聞いてちょっとばかり胸が高鳴った。「だ、だって、琴音があんな事するから」

「へーー。私が魅力的だから、もっと私を好きになっちゃうと困っちゃうんだね。仕方ないなあお兄ちゃんは」

俺のたった一言で、なぜか俺の思考が完璧に見透かされているようだが、追及されなかったので良しとしよう。

「よし、じゃあ帰るか」

「うん!」

俺たちは手を繋いで家路についた。琴音の柔らかな手から伝わってくる熱を心地よく感じながら。

◆◆◆◆

家に帰って来た俺たち二人は、早速俺の部屋に移動した。因みに部屋には鍵が付いているので誰も入って来れないように対策済みだ。

「お兄ちゃん、こっちきて」

ベッドに腰掛けた琴音が自分の隣に座るように手招きしている。俺はそれに従って隣へと腰かけた。すると彼女が俺の腕に抱き着いて来た。

「えへへ、お兄ちゃんにくっつくの大好き」

甘えん坊で可愛らしいことこの上ない。俺は妹の頭を撫でると、彼女は嬉しそうに目を細める。

「よし、じゃあさっきの続きだ」

俺はそう言うと琴音の上に覆い被さって濃厚なキスをした。

「じゅ、じゅる、じゅゅるる」

唾液が伸びる伸びる。琴音は蕩けた目をしていて、もの欲しそうな顔をしている。

「ねぇ、お兄ちゃん......シテ??」

予想はもちろんしていた。しかし流石に兄妹でこれはまずい気がする。世間体の事ではない、一線を超えてしまうんだ、そう考えると俺は急に冷静になってしまって萎えてしまった。

「お兄ちゃん...?」

言わなければならない

「お兄ちゃんこの先はやっぱりできない。いや、正確に言うと心の準備ができてない。俺も期待させるような裏切る行動をしてしまってごめん。だけどこの先はまだ違う気がする」

「.......そうだよ...ね、私たち結局血の繋がってる兄妹だもんね、でも私はお兄ちゃんとキスできるだけでも幸せだよ」

「本当に不甲斐無い兄貴でごめん、もう少し待ってもらうかもしれないけど、後悔はさせないから」

その日から俺たちはキスまでをする関係になった。

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