第5話 共通ルート開始…?
4月20日(木)
ここからが、このゲームの本編であり、共通ルート開始の日でもある
これ以上は、しくじらないようにしよう…
「おはよう、勇。目に
いきなり、本来のセリフを言わないんかい!!
本来なら
『おはよう。今日は新体力テストがある日だけど、大丈夫そうか?』
と言うんだがな…
色々と惑わされたおかげで、隈が出来ちまった
こりゃ、新体力テストの結果にも影響出そうだな…
♰♰
そして、新体力テストの結果は予想通り惨敗
ほとんどが平均値またはそれ以下だった
「おいおい、お前らしくないじゃないか…。一体、何があったんだ?」
俺のせいだよ!
と答えたいとこだが、面倒事は御免だから
色々となと誤魔化した
♰♰
放課後
「やあ、笹岡君」
学園を出た俺に声をかけたのは、樋山だ
こいつはどの部活にも所属していない
俺と同じ帰宅部だ
ここも、共通ルートには出てこない
樋山と話すのは、学園内だけだ
「俺に用か?」
「今日、漫画の新刊が発売される日だろ?よかったら、一緒に買いに行かないかい?」
まさかの誘いだ
俺も、その漫画を揃えている
これは、乗るしかないだろう
「良いぞ。それじゃアニ●イトに行くか」
「うん」
駅前のアニ●イトで新刊の漫画と気になってたグッズを買った
ちなみに樋山は、買い物かごにこれでもかと言うほどの漫画とグッズを入れていた
こいつの懐、良すぎじゃね?
「いやぁ、買った買った」
「…だな」
両手にパンパンの袋を持った樋山を見て、俺はちょっと呆れた
♰♰
4月22日(土)
俺はヒロに誘われて、海辺で釣りをしていた
これもまた、どのルートにもない場面だ
ヒロ自身、俺や他の誰かを誘うなんて滅多にしないからな
「…で、どういう風の吹き回しだ?」
「別に。暇だったから、お前を誘ってどっか行こうと思ってたんでな」
「それで釣り…ね」
「何だ、嫌なのか?」
「そうじゃない。っと、さっそくヒットだ!」
タイミングを見計らって、グイッと上げる
釣れたのは小鯵、それも3匹だ
「やるじゃないか、俺も負けてられないな」
そう言ったヒロの釣り糸も、引っ張られた
「こいつは、でかいぞ…」
俺より慎重になり、ここだと叫んで釣り糸を上げる
「お、いい魚が釣れたぞ!」
「チヌか、お前もやるな」
それは、黒鯛
ヒロは後で刺身にして食うんだろうな…
くぅっ、羨ましい!
その後も、小鯵だらけが釣れる
時間もいい感じになった
「次で終わりにしよう」
ヒロがそう言い、最後の一投を入れる
先にかかったのはヒロ
だが、目が慣れてきたせいか、この感じは小鯵だろうなと俺は予想した
結果、小鯵が2匹釣れた
その2分後、俺の方でもヒット
でも、これまで以上に力が強い
「こいつは、でかいぞ…」
「負けるな、勇!」
ヒロの掛け声もあり、俺は集中した
「おりゃあああああ!!」
手ごたえを感じ、大声を上げて釣り糸を上げた
「これは…」
「とんでもない物を釣ってしまったな…」
それは体長80センチを超える鰹だった
今日一番の収穫だ
刺身かたたきにして食べるか迷う
でもその前に、これは家ではさすがに捌ききれないから
近くの鮮魚店のおっちゃんに捌いてもらおう
一体これからどうなることやらと思っていた矢先、事件は起きた
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