21日目『飾り』

俺は実家に帰って支度をした後に少し実家を片付けて今の家に帰ることにした。

とにかく、この地域から離れたかったのだ。


高速を走らせ、少し先のパーキングエリアでコーヒーを飲んだら日常に戻ってきた気がして、とても安心した。

やっと日常に戻れる。

そう思いながら、ふと助手席の足元を見た。

何か落ちている。


拾うとそれはピアスのキャッチだった。

俺にはピアスは開いてないし他の飾りの類も何もつけないが助手席に乗ったことある人間と言ったら数少ないので恐らくユウキだろう。


「そういえばユウキ、玄関に居座って以来、来てないな…」とぼんやりしつつ仮眠を取ることにした。


また夢だ。ユウキの生首だ。

何でまだ夢に出るんだ。

相変わらず俺は何も言えずにユウキの生首と向かい合っている。

ユウキが言う。

「俺、29歳で死んだんだよね」

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