20日目『たぷたぷ』

急いで車に戻った俺は震えていた。

何故、山の中に女の生首がある?

俺はクーラーボックスの中に何を入れている?

ギリギリの均衡で保っていた精神が崩れていくような気がした。


俺はとりあえず落ち着こうとたぷたぷに入っているミネラルウォーターを開けて飲んだ。

少し零したがそんなことはどうでもいい。

水を飲み終わる頃には少し落ち着いていた。


女の生首は山にある…と言うことはクーラーボックスの腐臭は俺の追い詰められた末の幻覚なんじゃないかと思ったのだ。


クーラーボックスの不法投棄にはなるが、それぐらいなら許されるだろうと俺は実家へ帰ることにした。

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