15日目『猫』

土間に近づくにつれ異臭がすごくなる。

嗅いでられない臭いだった。

土間の雑多なものが置いてありそうな場所を探したが見つからず、リビングに戻った。


少し動いたせいか喉が渇いてきて、

車に置いてきてしまっていたアセロラジュースを取りに向かった。

車までの距離はそんなにないのに熱でフラフラで手から鍵が落ちた。

ゆっくり鍵に手を伸ばすと暗闇からスッとナニカが出てきて俺の手を引っ掻いた。

痛っ!と思った時には遅くて猫が飛び出して顔を引っ掻いてきた。

「うわっ!」と後退りしつつ立ったら、猫は走って去っていった。

「痛ぇ…」と頬を触ると指に血がついたので結構、深く引っ掻かれたらしいことがわかった。

鍵をそっと拾い、車へ向かった。

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