816 自身が他人に放った言葉の意味

 試合開始と同時に眞子に完璧な3Pを決めさせ。

眞子が、美樹さん、飯綱ちゃん、真上さんの師匠だと相手に思い込ませ、同時に相手の作戦を崩壊させた飯綱ちゃん。


そして、その後も、眞子と真上さんで大量の3Pを量産し。

得点差が広がった所で、相手の先輩さんに『負けたら此処でストリップしてな』っと平然とした顔で酷い事を言い出す飯綱ちゃん……鬼ですね(笑)


***


 ……そして、相手を更に泥沼に引き吊り込もうとする準決勝の後半戦がスタートした。


では、この後半戦は、どう言った作戦なのかと言えば。


此処からは、得点差を詰められない様にするのを目的とした作戦。

前半の3Pの狙いの作戦とは真逆に、コチラ側がボールを持ったら、飯綱ちゃんに率先してボールを回し、彼女がドンドンとシュートを放って行く方針に作戦を変更をする。


要するに、相手が必死になって得点を重ねて来ても、中々追い付けない最悪な仕組みだ。


まぁこれは、一見すれば当たり前の行為なんだけど。

実際、点差が開いた状態でやられると、かなり精神的な苦痛が伴ってくる。


兎に角、余裕がない分、ミスをする訳にはイカナイと言うプレッシャーが尋常じゃないからね。


その上で、飯綱ちゃん、まだ相手の子を精神的に沈め足りないのか。

プレイ中であっても、あの先輩がボールを持ったのを自身が確認したら、即座にマークに行って。



「なぁなぁ。もぉ直ぐ、おっぱいポロ~~ンの時間が迫って来たね。このままやったら、もぉ時間の問題やね」

「うっ……あっ……」

「なぁなぁ、アンタ、さっきから豪い顔が真っ赤やけど。そんなに自分の裸を、みんなに見られるのに興奮してるん?」

「違っ!!」

「ほんだら、これ、外したらえぇんちゃうん?もぉ、これ、外してもうたら諦めもついて、楽が成れるんちゃうんかいな?ほらほら、うちにボール頂戴やぁ」

「あっ、あぁ……」

「ふふ、なに、試合中に、ぼぉ~~~っと考え事してんの?……そんな調子やったら、マジでボールいただきやで」

「あっ!!……あぁ……」


……っと、言う風にですね。

触れない程度に思いっ切り体を寄せ。

審判のブラインドを付いて、相手の耳元で、徹底的に酷い言葉責めを繰り返し。

それで彼女から奪ったボールを、嘲笑うかの様に問答無用でゴールネットに突き刺す。


正に、悪魔の勝負師の所業だ。


……っで、これらの行為を重ねて行った後半の結果。

コチラのゴール数は、かなりの時間稼ぎ的なプレイが増えたので、シュート数は6本で、内3Pが1本=13得点。


対して相手方は、飯綱ちゃんの巧みな罠に掛かってしまい。

連携もなにもかもがグチャグチャになり、ゴール数が、たったの4本=8点。


そして、それらの得点の合計をしたら、最終的には……52:20。


一回戦の試合より酷い得点差で終了した。


それを確認した飯綱ちゃんは不敵な笑みを浮かべて、更に落ち込んでる相手方の先輩の元に行き……



「なぁなぁ、アンタ、いつまでも、そんな所で泣いてるんよ?試合が終わっても、アンタにはまだやる事があるやろ?」

「あっ……いや……」

「『あっ……いや……』やないし。そんな誤魔化しにも成ってへん誤魔化しはえぇから、はよ約束守ってぇや。ウチも、観客も、本場の外人さんのストリップを早く見たい思ぉて、アンタには期待してんねんから。ほんま、ウチも楽しみやわぁ~~~」

「いや……許して……」

「はぁ?なにが『いや』やのさぁ。それに『許して』ってなによ?アンタかって、ウチに自分の要求を突き付けて。ウチの事、公衆の面前で土下座させようとしたんやんなぁ?ほんだら今更、そんな調子のえぇ事言うたらアカンわなぁ?アンタが今更、何を言おうと、この賭けは合意の上で成り立ってんねんからやぁ」

「うっ、うぅ~~~、ぐすっ……」

「それにアンタ。あんな大きい事言うてた割に、後輩の子等より酷いスコアーで試合が終わってもたね」

「うぅ……」

「ほんだら、あの時、自分の口で後輩に言うてんから、アンタも『学校辞め』や。それが筋ってもんやんなぁ?」

「ぐすっ……ぐすっ……うっ、ううぅぅぅうぅ~~」


あぁ……完全に泣いちゃったよ。


いやまぁ、先輩さんも、そりゃあ自業自得だと言えば自業自得な部分があるにせよ。

幾らなんでも、それは、ちょっとヤリスギなんじゃない?


そこまでやったら、流石に可哀想だよ。


……もぉ、しょうがないなぁ。



「飯綱、辞めなさい。もぉ許して上げなさい。弱者をいたぶるのは良くないわよ」

「あぁ……お師匠さん、助けて下さい。どうかお願いします。……こんな場所でストリップをするのなんて嫌です」

「そやかて師匠。賭けは、賭けですやん。敗者は丸裸にされるのが、勝負事の定石ってもんですよ」

「例えそうであっても、こんな場所で泣かれたら鬱陶しいのよ。……それに、此処でそれが問題になって優勝賞金がパァになったら、どうするつもり?飯綱、その責任は取れるの?」

「いや、まぁ、それは、流石に困りますねぇ」

「でしょ。……だったら、そんな風に敗者に構ってる暇なんて無いのも解るでしょ?さっさと行くよ」

「あぁ、はい。……ハァ、どうやらアンタは、師匠のお陰で命拾いしたみたいやなぁ。でも、これに懲りたら、人の好きな事を奪う様な卑劣な真似はしたらアカンで」

「あぁ、はい……すみませんでした。ごめんなさい」

「なにしてるの、飯綱?早く行くわよ」

「あぁ、はい、すんません、師匠。……ほな、またね」


取り敢えずは、これで良いのかなぁ?


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>


はい……飯綱ちゃんは鬼ですね。


ですがね。

今回のお話で理解して欲しかったのは、そんな事ではなく。

『自身が感情的に成って放った言葉が、他人を如何に傷つけているのか?』理解して欲しくて、この様なお話を書かせて頂きました。


まぁ、こんな事は、言われるまでもない言葉なのでしょうが。

解っていても、これを実践出来なければ意味がない、っと言う意味も込めております。


人は知らず知らずの内に、他人を傷つけてしまう物ですしね。


さてさて、そんな中。

取り敢えずは決勝進出を決めた、眞子達一行なのですが。


次回は、そのホテルへの帰り道にした、眞子と飯綱ちゃんの会話のお話になります。


眞子は、少々、今回の一件で思う所があったみたいですし。


なので良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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