特筆しようと思ったのは、本作の読みやすさ。わかりやすい表現・ストーリーラインなので、考察しながらでも、サクサクとでも読み進められます。
比較的社会人らしく理性的な思考をする主人公の勇那と、天真爛漫でどこか大胆なヒロインである美海の対比が素晴らしい。美海の性格や言動は、勇那と比べると若々しい印象を受けるということ。これにも何か理由が……? なんて、深読みしすぎでしょうか(笑)。
この二人の関係性についても書かせていただきたい。ちょっとすれ違っているようでどこかで繋がっているこの感じが、くすぐったいようで心地いい。今後どう変化していくのか気になるところです。
そして、この作品が示す「鯨」とは。美海が鯨を追いかける本当の理由とは……? 続きが楽しみな良作の一つです。