第5話 警察
警察署についた私は狭く暑苦しい取調室で2時間ほど鈴木という若い刑事さんに同じ話を何度もさせられました状況説明です。
嘘を付いてないか矛盾がないか確認するためだと思います。
これは自業自得とはいえイライラして苦痛でした。
鈴木はノートパソコンで調書を書きながら聞いています。
「シキマルダ、変わった名前だな本名か?」
「あのな鈴木君、免許証確認したろ偽名な訳無いだろ、それに好き好んで、その名前になった訳じゃないしな・・・」
「このあんたの仕事、マルダ・ビジネスリサーチって一体何やってんだ?」
「依頼があった会社や人間を調査して回るのさ私立探偵だ、金、女、不正、違法行為、あと人探しなんかもやることあるよ、鈴木くんっ!」
「お前に鈴木君呼ばわりされたくないな、刑事さんと呼べ」
「ふーん鈴木君は刑事になりたてだろ君は間違ってるぞ俺は、まだ任意同行の状態だ、敬語が必要なのは君の方だぞ早まって不当逮捕しやがって後で間違ってましたじゃ済まないぞ始末書間違いなしだな鈴木君。
なんだったら君の上司の監督責任、不当逮捕に名誉毀損、乱暴な取り調べでの暴言、精神的苦痛によるストレスで裁判起こそうか?」
その時の状況を短く話しますと任意同行で事情説明をしに行く程度に考えていた私に手錠を
それに腹を立てた大人げない私は感情的になり大きな声で抗議をしましたが刑事さんの態度が依然とても横暴だったので同じ署に知人の刑事さんが居るのですが・・・
「だるまのタコ助が来てるからと強行犯係の武藤さんに連絡してくれ今すぐにな」と鈴木に告げ、さらに私は無罪を主張しました。
「武藤さんの知り合いか?武藤さんは忙しいんだ、お前こそ警察官を脅迫すると罪になるの知らないんだろう」
「あっそう!じゃ生活安全課の小林刑事、今いないのか?とにかく話のわかる人間頼むよ、なんだったらココに署長さん呼んでくれよ大問題が発生しそうですってな・・・お前、辞表提出の覚悟したほうが良いかもな・・・」
本当は良くないのですが私は、ここぞと言わんばかりに鈴木刑事を睨みつけました。
少し顔の青ざめてきた鈴木刑事は私の差し出した名刺をしげしげと眺めて言いました。
「あのー、ここの署の皆さんとはどういう?・・・」
「不良中年で有名なのさ、スズキくん!」
そして私は過去を思い出していました。
以前、私は不当逮捕を2度ほど経験しており、やはり横暴な取り調べを受けたのが許せなくなり
疑いが晴れ釈放になったあと
懇意にしている弁護士さんと知り合いの検察事務官に根回しして訴状を担当刑事に送りつけたところ訴えを取り下げて欲しいと頼まれました、意地になっていた私は、それを断りましたが
検察事務官の知り合いから電話が来て
「やっつけるのは簡単だが、もし署長に処分が下ったら刑事はやめなきゃならん」と話が大きくなっているのを聞き、しぶしぶ訴えを取り下げてあげました。
今思えば刑事さんは犯人に舐められたら終わりだ位に考えていたのだと思います。
警察官は犯罪を憎んでいます。
犯人を追う内に犯罪者が憎くなっても不思議はありません・・・
そこへ私が時々、情報提供などしている強行犯係・武藤さんがやってきました。
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