第4話 異変
にゃー。
おかしいのにゃ。
ご主人様が帰って来ないのにゃ。
ご主人様は、今日も朝ご飯を食べた後『大学生』のお仕事に出かけていったのにゃ。
ぽちはいい子にお留守番して、夕方になったらドアの前でご主人様を待ってたのにゃ。
だけど、いつまでもたってもご主人様の足音は聞こえて来なかったのにゃ。
もう窓の外は、夜になって真っ暗なのにゃ。
暗くて淋しいのにゃ。
ご主人様、どうして帰って来ないのにゃ?
……………………。
……………………。
……………………。
……………………まだ帰って来ないのにゃ。
ぽちは、ずっとずっとドアの前でご主人様の足音を待っていたけど、いつまでもたっても足音は聞こえてこなかったのにゃ。
窓の外が明るくなって来て、朝になったのにゃ。
ご主人様、どうして帰って来ないのにゃ?
ぽちは、淋しくてにゃーと鳴いたのにゃ。
そして、また夕方になったのにゃ。
ぽちは、一日中、ご主人様を待ってたのにゃ。
途中で淋しくなって、ご主人様の匂いがするお布団にすりすりしたのにゃ。
お腹も空いたのにゃ。
ご飯は昨日のお昼ご飯がちょっとだけ残ってるのにゃ。
でも、なぜだか食べたくないのにゃ。
お腹が空いてるのに、ご飯が食べたくないのは変なのにゃ。
きっと、ご主人様がいないからなのにゃ。
ご主人様と一緒に食べるご飯は美味しいのにゃ。
だから、ぽちはご主人様が帰って来るまでご飯を食べないにゃ。
でも、また夜になったのに、ご主人様はまだ帰って来ないのにゃ。
ぽちは、淋しくてにゃーにゃー泣いたのにゃ。
とうとう二回目の朝が来たのにゃ。
ぽちは、ご主人様に何かあったのかにゃ? と心配になったのにゃ。
お外には大人の野良猫とか野良犬とかカラスとか怖い敵がいっぱいなのにゃ。
でも、ご主人様は人間だから大人の野良犬や野良猫やカラスよりも大きいのにゃ。だから、負けないのにゃ。
だけど、もしも人間のご主人様よりも大きな敵がいたら?
ぽちがまだ会ったことがないだけで、もしかしたらお外には、人間よりも強い敵がいるのかもしれないにゃ。
そんな敵にご主人様が襲われたのかもしれないにゃ。
ぽちは、不安な気持ちになったのにゃ。
ぽちは、馬鹿にゃ。
なんで、もっと早く気づかなかったのにゃ。
ご主人様を助けにいくにゃ。
ぽちは、大人の野良犬や野良猫やカラスよりも弱いけど、ご主人様のたった一人の家族にゃ。
ご主人様を助けられるのは、ぽちだけにゃ!
ご主人様を助けにいくのにゃ!
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