第3話 ぽちとご主人様02
ご主人様とぽちは二人暮らしなので、お留守番の時は、家の中にぽちだけになるのにゃ。
ご主人様には、ぱぱとままがいないのにゃ。
「私には家族がいないから、この家にいる人間は私だけだよ。だから、警戒しなくても大丈夫だからね」
ぽちが初めてこの家に来た日、ご主人様がぽちに、そうお話してくれたのにゃ。
ご主人様は、ずっとひとりぼっちだったのにゃ。
ぽちと同じにゃ。
ひとりぼっちは、淋しいのにゃ。
淋しいのは、嫌なのにゃ。
ぽちは、ずっとひとりぼっちだったからわかるのにゃ。
(ご主人様もずっと淋しかったのにゃ?)
ご主人様が淋しいのは、嫌なのにゃ。
ぽちは、悲しくなって、にゃーと泣いたのにゃ。
そうしたら、ご主人様はぽちを抱っこしてくれて、
「ありがとう。お前がいるからもう淋しくないよ」
って、言ってほっぺをぽちのほっぺにくっつけてすりすりしてくれたのにゃ。
言葉が通じなくても、ご主人様はぽちの気持ちがわかるのにゃ。
ぽちとご主人様は仲良しにゃ。
ぽちがいるから、ご主人様はもう淋しくないにゃ。
ご主人様がいるから、ぽちはもう淋しくないにゃ。
にゃー、なのにゃ。
ぽちがお留守番する時のお気に入りの場所は、窓の側なのにゃ。
お日様の光が入って来て、ぽかぽかなのにゃ。
ぽちは、ひなたぼっこが好きなのにゃ。
でも、お外で暮らしてた時は、ひなたぼっこしてるとカラスとか野良犬に襲われるからとても怖いのにゃ。
ご主人様の家の中なら、カラスも野良犬も来ないから安心にゃ。
ひなたぼっこし放題で、ぽちは、ぽかぽかの窓の側でとろけるのにゃ。
ひなたぼっこに飽きたら、ベッドの上に移動するのにゃ。
ご主人様の匂いがするお布団にすりすりして、お昼寝するのにゃ。
ご主人様と一緒にいるみたいで、ふわふわってなるのにゃ。
ふわふわってなるの好きにゃ。
お腹がすいたら、ご主人様が出かける前に用意していってくれたご飯を食べるにゃ。
いつも一度では食べきれないくらいの大盛なのにゃ。
お水もちゃんとあるのにゃ。
ご飯に困らない生活は不思議なのにゃ。
ご主人様と暮らすようになって『お腹いっぱい』を初めて知ったのにゃ。
『お腹いっぱい』になったら、動けなくてびっくりしたにゃ。
ご飯の後は、ご主人様がくれたボールで遊ぶのにゃ。
コロコロ転がるボールを追いかけるの楽しいにゃ。
本当はご主人様に転がしてもらったボールを追いかけるのが、一番楽しいのにゃ。
だけど、一人でボールと遊ぶのも、まぁまぁ楽しいにゃ。
そして、夕方になったらドアの前でご主人様を待つのにゃ。
ご主人様の足音はもう覚えたのにゃ。
ドアの前で、じっと待ってるとそのうちご主人様の足音が聞こえてくるのにゃ。
ぽちは嬉しくて、にゃー! ってなるのにゃ。
ドアが開いて、ご主人様が入って来たら、ぽちは『おかえりなさい』っていう気持ちを込めて、にゃーって鳴くのにゃ。
ご主人様は、
『ただいま、ぽち。いい子にしてた?』
って言いながら、ぽちを抱っこして、ほっぺにすりすりしてくれるにゃ。
ぽちは、いい子だったにゃ! って気持ちでにゃーって返事をするのにゃ。
それから、ご主人様と一緒に晩ご飯を食べるのにゃ。
二人で食べる晩ご飯は美味しいにゃ。
ご飯を食べ終わったら、ご主人様はお風呂に入るのにゃ。
ぽちも、時々ご主人様と一緒にお風呂に入るのにゃ。
お風呂はちょっとだけ苦手だけど、ご主人様と一緒だから安心なのにゃ。
そして、夜になったら、ぽちはまたご主人様と一緒に寝るのにゃ。
ふわふわのお布団の中で、ご主人様にくっついて寝るのにゃ。
ぽちは、ご主人様と一緒に寝るのが一番好きなのにゃ。
あったかくて、柔らかくて、優しいのにゃ。
ぽちは、毎日、幸せなのにゃ。
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