(二)-5
トイレに向かって歩いている時、見覚えのあるような感じの後ろ姿をした人を見かけた。茶髪のシャギーがかった短い髪にグレーのパーカー姿は、最後に見た翔太と同じ格好だった。
翔太は同じ学生とはいえ、城山大学という別の大学の学生だ。こんなところにいるはずはない。普段であればそう考えるハズだったが、拓弥の脳はそのようなことも考えられないほど、翔太のことで一杯だった。
拓弥はその人に駆け寄り、肩を叩いて「翔太!」と声を掛けた。
(続く)
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