(二)

 拓弥が通う崎玉国際医療福祉大学附属医療専門学校は、JRの茂呂もろ駅の北口徒歩五分の所にある拓弥の自宅マンションから歩いて徒歩三分と、近いところにあった。

 大学病院と大学と専門学校が渾然一体となった敷地は、かろうじて平野部を南北に結んでいる旧香枕(かまくら)街道に隣接しているが、敷地そのものは丘を上がったところにある。

 ちょうど建物の二階部分ほどの高さのところに病院の建物の入口がある。その前の狭い、まるで旧跡の城跡にある曲輪のような狭い開けた場所にバス停があった。

 拓弥は自宅から歩いてきて、そのバス停からバスに乗る。行き先はこの敷地から南の方へ車で向かったところにある、同大学の先端医療センターだった。


(続く)

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