アイツにランナーズハイ
【い-14】文学フリマ京都_筑紫榛名
(一)
加島拓弥は自分の部屋のセミダブルのベッドの上で矢代実奈美の膣から自分のを引き抜くと、枕元にあるティッシュを二枚引き抜き、すっかり萎えた自分のそれについた自分と女のぬめりを拭き取り、そのティッシュを壁際のテレビの前のゴミ箱に投げ入れた。女の整えている吐息の音を無視し、拓弥は無言で浴室に入りシャワーを浴びた。
「もう……、今晩夜勤なのに。最近、いつも以上に凄いんだけど、何かあったの」
息を整え終えた実奈美が、あそこをティッシュで拭きながら、浴室から出てきた拓弥に言った。
「別に」と拓弥は応えながら、床の上に落ちているバスタオルを掴み上げて濡れた体を拭いた。
「今日もテスト勉強するの?」
「そう」
拓弥はボクサーブリーフに足を通しながらぶっきらぼうに返事した。
「私はいつも通り、もう少し寝させてもらうわね」
実奈美はそう言って掛け布団に潜り込んだ。
拓弥は着替えを済ますと教科書とノートが入ってやや膨らんでいる黒のトートバッグを掴み、部屋を出た。
(続く)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます