第20話.冒頭パターン3:マリベル救出から開始
満月の青白い光が濃い影を落とす。
その影に溶け込むように一人の男が音もなく降り立った。
貴族の邸宅が多く立ち並ぶ地域。その中でも比較的大きな館。その裏口に全身黒ずくめの男が取り付いた。
男の名はルイス・ナバーロ。
ルイスは、細く小さな鉄棒をいくつか取りだして、そのうちの2本を裏口の鍵穴に差し込む。
しばらく角度を変えながら動かしているとカチリと小気味いい音が鳴った。
そっと裏口を開けると、音も立てずに館の中へと滑り込む。そこには明かりは無かったが、夜目の効くルイスにとっては問題無かった。
そして迷わず地下へと向かう。
階段を降りたところで、壁に隠れて小さな手鏡を使い廊下の先を
少し先にある部屋の前に見張りが二人。そこまでは
階段のところからは20メートルといったところか。
その部屋以外に見張りは立っていない。
そのことからも、ターゲットはその部屋だとルイスはあたりをつけた。
しばらく様子を見ていたが、見張りの目がこちらに向いていない隙をついて廊下に躍り出た。
音を立てずに廊下を疾走する。
だが、半分ほどのところで見張りに気付かれた。二人の見張りがこちらに向く。
「何者だ?」
「止まれ!」
口々に
慌てて剣を抜く二人の見張り。
だが、間に合わない。
てまえにいた見張りの懐に潜り込むと、ルイスは右の拳を腹へと叩き込んだ。くの字になって悶絶する見張りを捨て置いて、もう一人へと接近する。
既に剣は抜かれている。
ルイス目掛けて
その直後、床に手をついて、伸びあがるように
顎を砕かれた見張りはその場で昏倒する。
その反動を利用して立ち上がったルイスは、腹を押さえて悶絶する見張りに近づく。そして、小瓶を取りだし霧吹きの様にプシュッと見張りの鼻先に噴きかけた。
数秒で見張りは眠りに落ちる。
これはファンガスの眠り粉という魔法道具で、ひと吹きでたちどころに相手を眠らせてしまう効果がある。
念のため顎を砕いたほうにもひと吹きすると、ルイスは見張りの体を調べる。すぐにポケットから鍵束を見つけた。
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🔹ここまでで993文字です。
ヒロインまで、あと200文字くらい……
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